Daigasグループの「カーボンニュートラルビジョン」 Daigasグループの「カーボンニュートラルビジョン」

21.07.09

Daigasグループの
「カーボンニュートラルビジョン」

大阪ガス(株) 企画部ESG推進室 室長

楠井 祐子

現在、世界中で地球温暖化の問題に対する関心が急速に高まり、二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにしようという「脱炭素化(カーボンニュートラル)」が大きな潮流となっています。そのような中、2020年10月に菅義偉首相が所信表明演説において2050年までに国内のCO2排出量の実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル宣言」を行ったことなどから、カーボンニュートラル社会の実現に向けた動きに今注目が集まっています。

Daigasグループは、これまでも石炭・石油から天然ガスへの転換、コージェネレーションシステムや再生可能エネルギーの普及拡大、水素技術の実用化など、低炭素社会実現に向けた取り組みを進めてきました。そして2021年1月に「Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン」を発表し、その旗振り役の一人が大阪ガス企画部ESG推進室室長の楠井祐子さんです。カーボンニュートラルを実現するために、どのようなビジョンを描いているのでしょうか。

CHAPTER

01

CHAPTER

01

都市ガスの
脱炭素化を目指して

都市ガスの脱炭素化を目指して 都市ガスの脱炭素化を目指して

「カーボンニュートラルの実現にあたり、私たちエネルギー会社が果たすべき役割は非常に大きいと言えます。DaigasグループではこれまでもCO2排出削減に積極的に取り組んできましたが、菅首相のカーボンニュートラル宣言を受け、私たちもそれに向けた道筋をはっきり示すべきだと考え、『Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン』を発表しました。私たちはこのビジョンの中で、技術革新によって2050年にDaigasグループ事業におけるカーボンニュートラルを実現すること、また、その実現までの間にもできるだけ社会全体のCO2排出量削減に貢献することへの挑戦を宣言しています」

楠井 祐子
2050年カーボンニュートラルへの挑戦

※1 太陽光、風力、バイオマスなど固定価格買取(FIT)制度の適用電源を含む
※2 現在のDaigasグループ及びお客さま先におけるCO₂排出量(約3,300万㌧/年)の約3分の1に相当

Daigasグループは、天然ガスの活用などにより低炭素への取り組みにおいて着実な成果を上げており、この活動を進めながら、脱炭素化に向けた新しい技術の開発も進めていく計画を立てています。

CHAPTER

02

脱炭素化とレジリエンス、両方の実現が重要 脱炭素化とレジリエンス、両方の実現が重要

CHAPTER

02

脱炭素化と
レジリエンス、
両方の実現が重要

楠井 祐子

「CO2の削減に加え、Daigasグループは、エネルギーの安定供給やレジリエンス、将来的な社会コストの低減なども大切に考えた上で、ベストな答えを出そうとしている」と楠井さんは言います。「そこにはより良い未来を目指す私たちの強い想いが込められています。ポイントになるのは複数のエネルギーの供給です。まずは再生可能エネルギーをさらに普及させて電源の脱炭素化を進めます。さらにメタネーションという技術を軸に都市ガスの脱炭素化を目指します。また、水素のローカル利用も組み合わせ、脱炭素化とレジリエンスを兼ね備えたエネルギーミックスをご提供していきたいと考えています。カーボンニュートラル社会の実現には、現時点で考えられていないものも含め多くのイノベーションが必要になります。いろいろな可能性がある中で、私たちは複数のシナリオをもって、状況に応じて柔軟に選択していくことが大切だと考えています」

複数のエネルギーによるレジリエンスの確保

レジリエンスとは「逆境に負けないしなやかな強さ」を意味し、エネルギーにおいては、災害時に供給を途絶えさせないことが含まれます。Daigasグループは、阪神・淡路大震災の経験もあり、災害時のエネルギーの安定供給に特別な使命感を持っています。災害によってエネルギーの供給に支障を来すリスクを考えると、電気や都市ガスなど複数のエネルギー源を組み合わせて持っておくことが望まれます。

太陽光や風力を活用した再生可能エネルギーには、天候の影響を避けられないという弱点があります。状況に応じて出力を変えられるコージェネレーションや燃料電池といった分散型電源も、エネルギー供給の調整役として重要な役割を果たすことになると考えられており、都市ガスはレジリエンスの向上に大きく貢献できる可能性があるのです。

CHAPTER

03

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03

メタネーションが
都市ガスの
脱炭素化の切り札

メタネーションが都市ガスの脱炭素化の切り札 メタネーションが都市ガスの脱炭素化の切り札

脱炭素化を進める1つの手段として、水素の利用が考えられています。ただし、実現には水素の供給体制を整える設備投資など、様々な費用が必要になります。水素利用にあたってのコストの課題について、楠井さんはどのように考えているのでしょうか。

「コスト抑制のカギを握るのがメタネーションという技術です。カーボンフリー水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を使って都市ガスの原料となるカーボンフリーなメタン(CH4)を作り出すものです。カーボンフリーなメタン(CH4)を供給することにより、既存の都市ガスのインフラや設備機器がほぼそのまま活用できるので、コストの増加をある程度抑えることができるのではないかと考えています。カーボンニュートラル実現に向けた取り組みのロードマップの中に位置づけているものです」

メタネーション
ロードマップ

「これらは今考えられる技術をベースに作ったロードマップであり、今後のイノベーション次第で、さらにより良い計画に更新していきます」と楠井さんは語ります。

「カーボンニュートラルの実現はとてもやりがいのある挑戦です。これまでもエネルギー事業をとりまく環境は大きく変わることがありましたが、私たちは変化に対応してきました。それはDaigasグループのDNAといっても過言ではありません。脱炭素化の流れにもしっかりと準備を進めていきます。ただ、この挑戦は私たちの力だけで実現することは難しいでしょう。そのため、さまざまな企業や行政、お客さまと連携していく必要があると考えています。先ほどのメタネーションですが、Daigasグループには革新的なメタネーション(SOECメタネーション)という有望な技術があり、実用サイズのセルの試作に国内で初めて成功しました。このような研究開発を加速し、実際の脱炭素化に役立てていくためにも積極的にパートナーシップの構築に取り組みます。まさにDaigasグループが得意とするオープンイノベーションです。これをさらに強力に推進することで、カーボンニュートラルな社会の実現に向けて貢献していきたい。私たちならきっとできると考えています」

私にとっての挑戦とは 持続可能な社会の実現に向けて、本当にやらなければならないことは何か、見極めること

私にとっての挑戦とは

持続可能な社会の実現に向けて、本当にやらなければならないことは何か、見極めること
楠井 祐子

「会社の挑戦とは別に、個人としても持続可能な社会の実現に向けて、本当にやらねばならないことは何なのかを見極めたいと思います。自分たち世代よりもずっと若い世代の視点を持つ。そのような能力を身に着けるために、いろいろな世界へ飛び込んでみる、可能なら一度体験してみる、さまざまな価値観を持つ人と話してみる。その結果、これと決めたことがあれば、『大は小の集合体』の精神で、小さなことから始めて大きくしていきたいと考えています」

大阪ガス(株) 企画部ESG推進室 室長楠井 祐子

ガス機器の営業担当を経験し、商品開発や販売促進企画に携わった後、営業マネジャーに就任。その後、お客さま満足度向上や社会とのコミュニケーション、ブランド構築など広報関連の幅広い業務を担当。現在は、環境を始めとしたDaigasグループのESG経営の推進を担当している。

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