社外取締役メッセージ
脱炭素に向けた取り組みには科学的な検証が、
DXに向けた取り組みは人材育成が重要
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取締役(社外)
宮原 秀夫 -
企業におけるガバナンスのあり方について、私の専門分野である情報ネットワークの観点から見たとき、「オートノマス・システム」という自律分散型システムの考え方が重要と捉えています。それは組織全体を力任せにコントロールするのではなく、決められた理念のもとで個々の組織が同じ目的に向かって進み、ネットワーク全体の統治が行われる状態です。私は2013年から、社外取締役として大阪ガスのガバナンスを監督してきましたが、取締役会においても自由に発言ができ、まさにオートノマスな組織を追求していると考えます。
中期経営計画について、私が重視しているのはカーボンニュートラルとデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みです。前者については、取り組み自体は重要であることは言うまでもありませんが、数値目標の設定や達成に向けた根拠について科学的な検証が重要と考えます。時代の流れとして脱炭素が大切だから取り組まねばならないと単純に考えるのではなく、どのような背景のもとで脱炭素の必要性が出てきたのか、客観的な数字に基づく判断が欠かせません。また、今後のカーボンニュートラルを取り組むうえでのシミュレーションも重要です。
DXも企業として必須の課題ではあり、IT人材の育成や外部人材の獲得を通じて、社内体制を強化しながらDXを推進しなければならないと考えます。他方で、多額の投資を要することから、社内でしっかり議論を行ったうえで進めていくことが求められます。
今後、5G(第5世代移動通信システム)、6Gと通信環境が進歩するなかで、IoT(モノのインターネット)が急速に進んでいきます。しかし、技術が進むことで暮らしや産業でメリットが出てくる反面、セキュリティリスクや電力消費量の増加といったデメリットも生じてきます。こうした点を冷静に考えた取り組みが必要であり、取締役会においてもしっかりと議論を積み重ねつつ、大阪ガスならではの戦略を打ち出していく必要があると考えています。
将来に向けた社会課題にいち早く取り組む
エネルギー事業のリーディングカンパニーに
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取締役(社外)
村尾 和俊 -
大阪ガスの経営のあり方を見て率直に思うのは、ガバナンスの利いた企業であるという点です。取締役会では活発な議論が交わされている一方、業務執行の現場を視察した際には、従業員に経営の意志が反映されていると実感します。何事においても誠実に取り組む企業風土を生かして、エネルギー事業に携わる企業としての社会的な使命をさらに追求して欲しいと考えます。また、社外取締役の一人としても、社会的使命の実現に向けて、企業や経済団体での活動を通じて企業経営に長く携わってきた経験を生かし、経営陣との活発な議論を通じて、主要事業の事業戦略とガバナンスのあり方、出資・協業議案や新規ビジネスにおける潜在リスクと、それに対応したシナリオをしっかり確認して助言を行っていく考えです。
大阪ガスのこれからのあるべき姿として、エネルギー事業のリーディングカンパニーとして、時代の先を見据えつつ、将来に向けた社会課題にいち早く取り組む企業であってほしいと願っています。それも国の政策やほかの企業の後をついていくのではなく、先頭に立って挑戦するという気概が重要と考えます。
その点、中期経営計画において、カーボンニュートラルやデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた戦略を打ち出しており、今後の展開に大いに期待しています。なかでも、藤原社長の就任会見で、水素と二酸化炭素から天然ガスの主成分であるメタンを合成する「メタネーション」関連技術の開発を強化すると表明した点を評価したいと思います。
また、DXについては、単なるデジタル化にとどまることなく、ビジネスモデルや働き方、お客さまのライフスタイルなどの変化を先取りした取り組みが必要と考えます。
カーボンニュートラルやDXには、技術のブレークスルーが必須であるとともに、実現に向けた適切な資金計画が重要です。コロナ禍を背景に時代の変化が一気に加速しているなか、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応するよう、社外取締役として必要な提言を通じて中期経営計画の着実な実行を支えていきたいと考えます。
従業員一人ひとりが主役となり、
「考動の必要性」の共通認識をもつことが重要
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取締役(社外)
来島 達夫 -
Daigasグループは、企業理念に掲げる4つの価値創造の実現を目指しており、その実現を後押しすべく、私は社外取締役としてガバナンスの強化に努めています。事業全体のリスク管理をはじめ、意思決定のプロセスの透明性、各議案の成長戦略との整合性や内容の妥当性を評価する際には、社内の目線だけではなく、社外も含めた全てのステークホルダーの目線から理解されるかという視点から、取締役会で議論していくことが重要と考えています。
社外取締役に就任してから約1年間が過ぎたところですが、Daigasグループのガバナンスの強化に取り組む姿勢を評価する一方で、経営における戦略や計画等の大きな方向性に関する建設的な議論を、もっと活性化するべきではと思っています。そのためには、社外取締役からの働きかけのあり方や関与の仕方も今後の課題と言えます。フランクに意見を出しやすい風土があるので、もっと活発に、これらのテーマに関して社外取締役同士や社内の人たちも含めた場で意見交換を行う機会があると良いでしょう。各取締役が先を見据えた議案の展望について認識を共有するとともに、長期目線で会社を大きく変革することを意識して、企業価値の向上に向けて動くことも必要であり、社外役員として、“守り”のガバナンスは勿論のこと、適切なリスクを取って成長を促すという意味での“攻め”のガバナンスも意識しています。
また、今年3月に公表した新たな中期経営計画の実行においては、現場起点と従業員一人ひとりがお客さま視点で考えて行動する、「考動」の意味合いをどう落とし込んでいくかが重要です。中期経営計画に掲げた「ミライ価値」をDaigasグループ内に浸透させていくためには、なぜ「ミライ」なのかを、そして自分たちの日々の仕事がどのように「ミライ」に繋がっていくのかを、グループの従業員に分かりやすく伝える工夫が欠かせません。従業員とのエンゲージメントを高め、グループの一人ひとりが主役として行動できるように、より良い組織文化を醸成してほしいと考えます。
経営の諸課題について、従来の延長線上の発想ではなく、
新しいことへ挑戦する姿勢に期待
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取締役(社外)
佐藤 友美子 -
今年6月に社外取締役に就任したばかりですが、大阪ガスは、事業を通じて社会価値の提供に熱心に取り組んでいる企業だと思っています。また、既存の事業を守るだけではなく、新しいことへの挑戦やブレークスルーへの取り組みに積極的な企業として、これからの事業展開に期待しています。
時代が大きく変わるなかで、業種を問わず企業はかつてのような予定調和型の経営にとどまっていては生き残れません。時代の先を見据えて、未来のあるべき姿を定め、そこからバックキャスティングして、現時点で何をするべきかという視点での経営が求められています。また、ブレークスルーを起こすには、経営層のなかでの発想だけではなく、お客さまに近い現場の声を十分に取り入れることが大切だと考えます。私は社外取締役の一人として、今後、業務の現場を可能な限り視察しつつ、社外の声を経営層に届けることで、従来の発想にとらわれない意思決定に貢献していきたいと考えています。
大阪ガスのような地域に根ざした事業を行う企業においては、地域社会との共創が重要ですが、大阪ガスが取り組んでいる地域貢献の取り組みはとても好感が持てます。これについて、もっと広く周知すべきでしょう。メッセージ性を出して伝えると良いと思います。
大阪ガスという大きな組織にあって、真面目な企業風土はよいと思う反面、従来の延長線上で物事を考えがちなのではないかと思うことがあります。特に、ダイバーシティに関して、女性の活躍推進の取り組みを更に加速し、従来からの延長線上ではない、より高い目標を掲げてもらいたいと願っています。また、いつまでに目標を実現するというスピード感も重要です。
中期経営計画についても、従業員一人ひとりが主体的に責任感をもって取り組めるような、大阪ガスならではのキーフレーズがあるとよいのではないでしょうか。その言葉のもとで、エネルギー企業としてこれまで以上に社会的使命を果たすことができるようになるのではと考えます。
- Daigasグループの
サステナビリティ -
トップコミットメント
サステナビリティへの取り組み
活動トピックスと指標に
対する実績 トランジション
ファイナンス- Daigasグループの価値観と
サステナビリティ推進体制 -
Daigasグループの理念体系
Daigasグループ企業行動憲章と
マネジメント方針 Daigasグループ企業行動基準 サステナビリティ推進体制と
マネジメント ステークホルダー
エンゲージメント 参加イニシアチブ 外部からの評価・表彰
- サステナビリティ経営と
価値創造プロセス -
Daigasグループの
価値創造プロセス 長期経営ビジョン2030/
中期経営計画2023 中期経営計画2023 Daigasグループ カーボン
ニュートラルビジョン
- 優先的な取り組み
(マテリアリティ) -
Daigasグループのマテリアリティ
マテリアリティの見直しサイクル
お客さま価値の創造(憲章Ⅰ)
環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) 社会とのコミュニケーションと
社会貢献(憲章Ⅲ) 人権の尊重(憲章Ⅳ) コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) 人間成長を目指した企業経営
(憲章Ⅵ)
- コーポレート・ガバナンス
- コーポレート・ガバナンス リスクマネジメント コンプライアンス 社外取締役メッセージ
- バリューチェーンと
サステナビリティ -
バリューチェーンと
ステークホルダーへの配慮 主なエネルギーバリュー
チェーンが社会に与える影響と
サステナビリティの取り組み
- DaigasグループとSDGs
-
特集:ミライ価値の共創
Daigasグループ カーボンニュート
ラル実現に向けた取り組み 特集バックナンバー
- Daigasグループの価値観と
- 2021年度
サステナビリティ活動報告 -
- お客さま価値の創造(憲章Ⅰ)
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憲章Ⅰ インデックス
お客さまの価値創造に対する
マネジメント 安心・安全1 調達段階 安心・安全2 製造段階 安心・安全3 供給段階 安心・安全4 消費段階 お客さまの声を生かす取り組み 新たな価値提案
- 環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) -
憲章Ⅱ インデックス
環境との調和と持続可能な
社会への貢献に対する
マネジメント 環境経営 ‐環境マネジメント‐ 環境経営 -指標・目標と実績- 気候変動への取り組み
‐リスクと機会の認識と対応‐ 気候変動への取り組み
‐CO2排出量削減効果の評価‐ 気候変動への取り組み
‐事業活動でのCO2削減貢献‐ 気候変動への取り組み
‐お客さま先のCO2削減貢献‐ 資源循環に向けた取り組み 生物多様性への取り組み 環境技術への取り組み 環境リスク低減への取り組み グリーン購買の促進 環境コミュニケーション
- 社会とのコミュニケーション
と社会貢献(憲章Ⅲ) -
憲章Ⅲ インデックス
社会とのコミュニケーションと
社会貢献に対するマネジメント 地域コミュニティとの共生 企業ボランティア活動
「“小さな灯”運動」 社会貢献活動 財団活動
- 人権の尊重(憲章Ⅳ)
- 憲章Ⅳ インデックス 人権の尊重に対するマネジメント 人権デュー・ディリジェンス 人権啓発への取り組み
- コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) -
憲章Ⅴ インデックス
コンプライアンスの推進に
対するマネジメント コンプライアンスの推進 個人情報保護の取り組み 情報セキュリティ お取引先の方などからの
相談・報告
- 人間成長を目指した
企業経営(憲章Ⅵ) -
憲章Ⅵ インデックス
人間成長を目指した企業経営に
対するマネジメント 雇用 多様性の受容 ワーク・ライフ・バランス 人材育成と処遇 従業員と会社の
コミュニケーション 安全衛生
- ガイダンス・ガイドライン
対照表とESGデータ -
ガイドライン対照表
- ESGデータ集
- 環境パフォーマンスデータ 社会データ ガバナンスデータ