Daigas Group 大阪ガスグループは、Daigasグループへ。

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CEOコミットメント

「中期経営計画2026」の目標達成に向け新たなステージへと飛躍していきます 代表取締役社長 社長執行役員 藤原 正隆

社是の「サービス第一」、Daigasグループの原点

 私たちDaigas グループは、昨年、1905年の創業から120年を迎えました。その間、企業を取り巻く環境が大きく変わるなかで、私たち自身も時代や社会の変化に対応し、変わり続け、進化し続けてまいりました。一方で、企業にはその活動の原点として、決して変わらないもの、変えてはならないものがあります。Daigasグループにとって、その原点と言うべきもの、それが社是である「サービス第一」、すなわち、お客さまを第一に考え、暮らしとビジネスのお役に立つという精神にほかなりません。
 こう言うと、「サービス第一」を社是に掲げていることについて、ガスや電気など、エネルギーの社会インフラを支える公益事業者として当たり前だと思う人もいれば、かつて都市ガス事業が一定の供給区域を担う公益事業として営まれていたという成り立ちを考えると、意外に思う人もいるかもしれません。私自身、1982年に入社した当時、ガス市場の自由化はまだ先のことでしたので、競合他社と争うこともないはずの大阪ガスが、なぜ「サービス第一」なのか、正直、違和感を覚えていました。
 ところが、その後、工場向けの都市ガス販売営業を担当する部署に配属になり、大阪市内の町工場のお客さまの現場に通い、工場の燃料を都市ガスに切り替えていただくご提案をしていくなかで、私の考えも一変しました。当時の工場の燃料と言えば、もっぱら重油かプロパンガスで、価格の高い都市ガスなどは見向きもされませんでした。「都市ガスの、どこが安泰やねん」と嘆きつつも悪戦苦闘するなかで、一つの気づきが生まれました。それは、単に「都市ガスを使ってください」とお願いするだけでなく、都市ガスの価格が少々高くても使っていただけるだけの理由、お客さまにとってどのような価値が生まれるかを具体的に示す必要があるということでした。
 そのため、お客さまの工場内をつぶさに見て回り、製造工程を確認しながら、エネルギーの無駄づかいはないか、省エネの工夫はできないか、エネルギーコストだけではなく、現場の手間や設備の管理負荷まで含めて改善できないか、徹底して分析・検討していきました。このように、工場全体で見たときに、都市ガスへ切り替えることで新たな価値を創出できる、そういった提案を積み重ねていきました。
 お客さまと向き合い、直にやり取りするなかで、お客さまのニーズや課題を発見し解決して、お客さまのお役に立ち、信頼関係を構築することで、競合するエネルギーの中から都市ガスを選び続けていただくこと、そのために「サービス第一」に徹すること、それこそが当社グループの活動の原点であると実感しました。これが私の会社生活における、いわば原体験です。
 また、この「サービス第一」を誠意をもって実践していくなかで、当社グループには様々なスピリットが生まれてきました。社内で「おせっかい」精神と言われているものもその一つです。お客さまの現在のニーズや課題のみならず、お客さまがまだ気付いておられない潜在的なニーズや課題まで掘り起こし、先回りしてソリューションを提案する。これを私たちはDaigasグループならではの「おせっかい」と呼んでいます。
 これまでも、家庭用ではガスファンヒーター、床暖房、エコジョーズなど、業務用ではコージェネレーションや設備・機器の省エネ診断など、今や当たり前となっている日々の暮らしや産業を豊かにし、発展させている商品や仕組みを、当社グループが「おせっかい」精神で時代や業界にさきがけて普及させてまいりました。「サービス第一」と、そこから生まれた「おせっかい」精神は、今もDaigasグループに脈々と受け継がれています。

逆境の連続、挑戦し乗り越えてきた歴史

 Daigasグループの歴史を振り返ると、まさに「逆境と挑戦」の連続であったように思います。そして同時に、その逆境に向き合い、挑戦を続けてきた歴史でもあります。当社の事業はガス燈から始まりましたが、電灯の普及によって主役の座を譲るという最初の試練に直面した際、私たちは、家庭用の熱エネルギー供給に新たな活路を見出したのです。
 その後も、人々のライフスタイルの変化に合わせて暖房や給湯に用途を広げ、さらに業務用や工業用にも展開し、エネルギー自由化等に伴う競争激化を乗り越えながら、現在の地位を築いてきました。変化への対応は厳しいものでしたが、同時に私たちを大きく前進させる契機にもなりました。しかしながら、人口減少が見込まれる国内市場にとどまっていると、成長は鈍化していきます。だからこそ、手掛ける事業領域や、物理的な事業エリアの拡大にも果敢に挑戦してきました。エネルギーの種類はガスから電力、さらに再生可能エネルギーへ、事業エリアでは豪州・米国での上流事業への参画など海外展開へ、そして、エネルギー事業とは異なる安定した収益基盤として、都市開発・情報・材料の3分野からなるライフ&ビジネス ソリューション(LBS)事業を成長させ、環境変化に耐えうる強靭な事業ポートフォリオを構築しています。
 逆境に直面するたびに、新しい価値を考え、自らの役割を広げる。その挑戦の積み重ねが、現在の強固な収益基盤につながっているのです。
 デジタル・AI 化や技術革新が進み、世の中が大きく変化している今、たとえ、今日、最適・最善のビジネスモデルであったとしても、不断の改革、革新を怠れば、明日にはたちまち時代遅れになってしまいかねません。一方で変化の振れ幅やスピードが大きい時には、危機と同時にチャンスもまた増大します。私たちは変化のなかにチャンスを見出し、新しいことにチャレンジしてイノベーションを起こし、当社グループの成長・進化につなげていきたいと思います。

既存領域で収益性向上、成長著しいインドで「第二の大阪ガス」構築

 2026年3月期は、「中期経営計画2026」の達成に向けて着実に歩みを進めることができた年でした。連結売上高は前期比1.9% 減の2兆303億円となったものの、営業利益は前期比8.8% 増の1,748億円、経常利益は前期比7.8% 増の2,045億円となりました。ROIC は5.8%、ROE は8.7%と、いずれも中期経営計画2026の最終年度の目標に対して順調に推移しています。
 セグメント別では、「国内エネルギー事業」が、姫路天然ガス発電所の運転開始に伴う固定費増や電力市場取引の利益縮小などもあって減益となりました。その一方で、「海外エネルギー事業」では米国事業の好調などを背景に増収増益となり、「LBS事業」では都市開発事業の増益などによってセグメント全体でも増益となりました。事業ポートフォリオを広げ、それぞれの事業がしっかりとした柱に成長することで、全体としてより強固な収益体制が構築されてきました。
 2027年3月期は、売上高2兆700億円、営業利益1,500億円、経常利益1,900億円を見込んでいます。中期経営計画2026の最終年度として、ROE やROIC などの指標達成を確実に視野に入れ、国内エネルギー・海外エネルギー・LBS それぞれの事業が有機的に成長を遂げることによって企業価値のさらなる向上を図っていきます。
 国内エネルギー事業では、姫路天然ガス発電所の2号機が5月に稼働し、1月に稼働済みの1号機と合わせ、国内火力発電容量は従来の200万kW から320万kW に拡大しました。2016年4月の環境アセスメント開始からおよそ10年がかりの大規模プロジェクトでしたが、無事、計画どおり稼働にこぎつけることができました。また2030年には、長期脱炭素電源オークションで落札した3号機が稼働予定であり、既に準備工事を開始しています。3号機を含めると合計180万kW 規模の高効率電源を新たに保有することになり、トランジション期において重要性を増す天然ガスの利用拡大を通じ、中長期で拡大が見込まれる電力需要に対応してまいります。
 海外エネルギー事業は中長期での成長を続けるための重要なフィールドです。現在、その利益の柱の一つが米国シェールガス事業のサビン社であり、期初時点で当年度販売計画量の7~8割程度について、売価をヘッジすることで利益を安定化させつつ、ガス価格高騰時には増産によってアップサイドの利益を追求しています。また、火力電源については、AI・データセンターをはじめ米国での旺盛な電力需要に対し、国内で培った発電所オペレーションのノウハウを活かして既存の発電施設の価値向上を図るとともに、海外で積み上げた知見をもとに、新規投資を含めて検討を進めていきたいと考えています。
 一方で、将来大きく業績に貢献することを期待している市場がインドです。当社グループでは、2021年にエネルギーインフラ開発会社への出資を行って以来、事業参画を進めており、現在はインド南部を中心に日本の国土の約9割に相当する総面積32万km²を事業エリアとして、都市ガス事業を展開しています。販売量でも2024年3月期の1.5億m³から、2027年3月期には8.2億m³を見込むまでになりました。インドでは、単に投資を行ってリターンを得るだけではなく、実際にガス管を敷設し、天然ガスステーションを整備して、その地域のお客さまにガスを供給する、まさにエネルギーインフラを担う事業を展開しています。これにより、これまで、国内エネルギー事業者として培ってきた経験・ノウハウを最大限に活かすことができます。もちろん、カントリーリスクやコンプライアンス上の課題はありますが、厳格な投資判断を行い、人材も現地に送り込み、自分たちの目で現物・現実を確かめながら伴走していきます。成長著しいインドにおいて「第二の大阪ガス」を築くという思いで、長期的に取り組んでまいります。

カーボンニュートラル実現へ、e-メタンでエネルギー変革

 中期経営計画2026の期間、そしてその先を見据えたとき、もう一つのカギになるのがエネルギートランジションです。第7次エネルギー基本計画が2025年2月に閣議決定され、エネルギー政策はより現実的な道筋に沿って進められています。脱炭素は必ず実現しなければならない目標ではありますが、一気に実現できるものではなく、エネルギーの安全性、安定供給、経済効率性、環境性を同時に満たしつつ推進していくことが求められます。
 その意味で、脱炭素までの移行期において、天然ガスの利用推進、すなわち、石炭や石油から、よりCO₂排出量の少ない天然ガスへと燃料の転換を図ることは現実的で有効な手段であると考えます。当社グループも、原子力や水力などのベースロード電源では対応が難しい需給ギャップにも機動的に対応でき、効率的なエネルギー利用につながる「天然ガス火力発電」、船舶燃料の低炭素化に貢献できる「LNGバンカリング(船舶向けLNG 燃料供給)」など、長期的視点でトランジション期における最適なエネルギーのあり方を追求してまいります。
 そして、脱炭素の鍵を握るのがCO₂をリサイクルしてつくるガス、e-メタンです。e-メタンはカーボンニュートラル(以下、CN)なエネルギーでありながら天然ガスとほぼ同じ成分で、既存の都市ガスインフラや燃焼機器をそのまま利用できる点が、他の脱炭素エネルギーにはない大きな優位性です。
 もちろん、実現は簡単ではありません。コスト低減のための技術開発やグローバルな制度設計など、多くの課題があります。それでも私たちは、2030年にe-メタン等の導入1%を目標に掲げ、着実に取り組みを進めています。繰り返しになりますが、社会インフラの転換は一足飛びには進みません。まず1% を実現し、そこから積み上げていく。その先にエネルギーの抜本的な変革があります。私たちは、この変革を実現できると信じています。なぜなら、これまでも逆境に向き合い、挑戦し、乗り越えてきたからです。ガス燈から家庭用熱エネルギーへ、石炭ガスから天然ガスへ、地域のガス会社から総合エネルギー企業へ。競争環境のなかで、創造する価値を変化させ成長してきた自負があります。e-メタンへの挑戦も、その延長線上にある取り組みと位置づけることができると考えています。

「安定供給・安全・安心」がエネルギー事業の根幹

 地政学リスクにより世界規模でエネルギー供給に影響が及んでいます。このような時こそ、私たちエネルギー事業者は「エネルギーの安定供給と保安の確保」という最大の使命にあらためて立ち返り、その実践に努めなければなりません。長期契約を主体とし、特定の国や地域に依存しない調達先の分散化によってLNGを安定的に調達し、お客さまのもとへ都市ガスを安定してお届けすること、そして、いかなる時にも安全第一で保安の確保を徹底すること、これが私たちの事業の根幹であります。どれだけ事業領域が広がり、会社の形が変わっても、その使命と責務が変わることはなく、私たちエネルギー事業者に対する、お客さまや社会からの信頼は、ひとえに、この「安定供給・安全・安心」の確保にかかっています。もしも重大な供給不良や事故を起こせば、これまで積み上げてきた信頼は一瞬で瓦解してしまいます。「保安の確保こそが、Daigasグループ最大のブランドである」と、私たちが常に考える所以です。
 そして、「安定供給・安全・安心」の確保を徹底するためには、やはり、プロフェッショナルとしての「人」の力が欠かせません。近年、担い手不足や猛暑による現場負荷の増大など、現場環境の変化への対応が迫られています。デジタル技術やAI の活用など、様々な手法を用いて現場の負担を軽減し、効率化をはかるとともに、安全品質を一層高めていく、その両立を追求してまいります。

真面目で堅実な人材に対して、挑戦できる場を作っていくのが経営層の務めであり覚悟

 当社グループの人材は、多くの社員が真面目で堅実です。それは、社会インフラを担う会社にとって大きな強みです。ただ、これからの成長には、真面目さに加えて、もう一歩踏み出す力が必要です。私は社員に、時には調子に乗って挑戦する、関西弁で言えば“ いちびって” ほしいと思っています。もちろん、無謀な挑戦をしてよいという意味ではありません。自らの専門性を磨き、リスクを見極めたうえで、チャレンジする姿勢を持つように促しています。
 そのためには、マネジメント層は挑戦の機会を作らなければならない。教育に投資し、成長機会を整える。そして何より、社員を信じ、たとえ失敗したとしてもそれを受け止める。その覚悟を持って挑戦の土台をつくることこそが、私たちマネジメント層の重要な使命です。昨日と同じ仕事を、今日も同じように繰り返すだけでは、会社の未来は開けません。境界を越え、新しい価値をつくる。その気概を、組織全体で育てていきたいと考えています。

Daigasグループのさらなる挑戦と進化

 当社グループはこれからも、国内のエネルギー事業を基盤に、海外への展開、e-メタンや再生可能エネルギーなどによるカーボンニュートラルの実現など多様な領域で成長を目指していきます。しかし、その根底にあるものは変わりません。おせっかいと思えるほど、お客さまと社会のニーズに先回りして応えること。不確実性が高い未来に対しても、自分たちが培ってきた技術とノウハウで道筋を描くこと。そして、その未来に、知恵と技術を最大限に発揮して、希望の炎を灯していく。「サービス第一」は、過去を懐かしむための言葉ではありません。変化の時代を進むための羅針盤です。私たちは、この精神に基づいた取り組みを通じて、全てのステークホルダーの皆さまから共感と信頼をいただける企業グループであり続けます。「時代を超えて選ばれ続ける革新的なエネルギー&サービスカンパニー」を目指して、持続的な企業価値の向上に邁進するDaigasグループのさらなる挑戦と進化に、どうぞご期待ください。

2026年7月


CEOコミットメント エネルギートランジション2050 サステナビリティレポート
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E:環境 環境マネジメント Daigasグループ環境方針 (参考情報)環境会計の
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資源循環社会への貢献 (参考情報)
資源循環に関するデータ推移
(参考情報)土壌・地下水の
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S:社会
S:社会 イノベーション・マネジメント
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