トップコミットメント

Commitment
コミットメント
時代を超えて選ばれ続ける革新的な
エネルギー&カンパニーに進化し、
持続的な成長を実現する。
全てのステークホルダーの価値を最大化する。
はじめに
Daigasグループは、1905(明治38)年にガスの供給を開始して以来115年、ガス燈を灯す照明用から始まったガス事業は、社会や環境の変化に対応しながら、家庭用や業務用・産業用の熱源へと、さらには熱だけでなく発電用へとその用途を広げてきました。そして、ガスや電気などのエネルギーの供給、暮らしやビジネスを支える多様な商品・サービス・ソリューションの提供を通じて、お客さまや社会のお役に立つ企業グループとしての発展を追求してきました。
こうした当社グループの理念・スピリットは、社是である「サービス第一」、目指す姿として掲げる「暮らしとビジネスの“さらなる進化”のお役に立つ企業グループ」にも反映され、従業員一人ひとりに受け継がれています。時代や環境の変化にかかわらず、一貫して変わることのない、これら企業理念や価値観をグループの事業活動に最大限に生かすことが、経営者の使命と考えています。
中期経営計画2023
~持続可能な社会の実現に向けた価値創造~
当社グループは、2017年3月に「長期経営ビジョン2030」を発表し、激しさを増す環境変化に対応するため、事業ポートフォリオの多軸化を図りつつ、持続的な成長に向けた基盤整備を進めてきました。そのなかで近年、新型コロナウイルス感染症のパンデミックや気候変動に伴う大規模自然災害の発生など、人間社会の持続可能性にかかわる環境変化が一段と深刻化し、世界規模でのパラダイムシフトが起こりつつあります。これまで私たちは、このような環境変化はもとより、いかなる状況においても、「エネルギーの安定供給を通じて、暮らしと社会を支える」との強い使命感をもって事業活動に取り組んできました。加えて今後は、お客さまや社会のレジリエンス向上のみならず、低・脱炭素社会の実現や新しいライフスタイルへの対応など、時代の変化に迅速に応え、国内・海外の社会課題の解決に挑戦し、新たな社会・経済的価値を創り出していかなければならないと考えます。
そうした問題意識のもと、当社グループの将来あるべき姿を明確にし、新たな社会課題の解決に当社グループがどのような役割を果たしていくのかを示すべく、2021年3月に「Daigasグループ中期経営計画2023『Creating Value for a Sustainable Future』」を発表しました。この中期経営計画に基づき、持続可能な社会の実現に向けて、直面する社会課題の解決にチャレンジし、「時代を超えて選ばれ続ける革新的なエネルギー&サービスカンパニー」へと進化することを目指します。
「ミライ価値」の共創
「中期経営計画2023」では、社会課題の解決に向けて創り出したい3つの価値を「ミライ価値」と定義し、「低・脱炭素社会の実現」「Newノーマルに対応した暮らしとビジネスの実現」「お客さまと社会のレジリエンス向上」の3つに重点を置いて取り組んでいきます。また、ステークホルダーの皆さまとの「共創」を通じて、私たちのソリューションやイノベーションにおける強みに一層磨きをかけ、これらの「ミライ価値」を実現し、その成果を分かち合っていきたいと考えます。こうした思いを、中期経営計画のタイトルに「Creating Value for a Sustainable Future」として記しています。
① 低・脱炭素社会の実現
「ミライ価値」の1つ目は、「低・脱炭素社会の実現」です。中期経営計画に先立ち、2021年1月に発表した「Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン」で示したとおり、他の化石燃料と比べて環境負荷が小さい天然ガスの利用拡大・高度利用に引き続き取り組むとともに、水素活用の可能性を探っていきます。その一つであるメタネーション※関連技術を通じた都市ガス原料そのものの脱炭素化や、これまで継続して進めてきた再生可能エネルギーを軸とした電源の脱炭素化によって、2050年のカーボンニュートラルの実現を目指します。
他方、脱炭素技術の確立には一定の時間がかかるため、これまでも取り組んできたCO2排出削減をさらに加速させる必要があります。2030年時点において、「再生可能エネルギーの普及貢献量:500万kW」「国内電力事業の再生可能エネルギー比率:50%程度」「CO2排出削減貢献量:1,000万トン」をマイルストーンと定め、CO2削減に挑戦していきます。
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※ メタネーション技術
水素(H2)と二酸化炭素(CO2)を使って、メタン(CH4)を作りだす技術
② Newノーマルに対応した暮らしと
ビジネスの実現
「ミライ価値」の2つ目は、「Newノーマルに対応した暮らしとビジネスの実現」です。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、人々のライフスタイルや働き方、ビジネスモデルが大きく変わり、やがて、それらが新しい生活様式のNewノーマルとして定着していくものと考えます。その間、私たちには、かつてない変化に直面されているお客さまの暮らしやビジネスに徹底して寄り添い、Newノーマルに対応した新しい価値を提供することが一層求められます。これまで以上に「共創」を心がけ、お客さまの個別ニーズに応えるカスタマイズしたソリューションを提供するとともに、デジタル技術等を活用した新たなソリューションやサービスの開発に精力的に取り組んでいきます。
それにより、関西地域のみならず、日本全国や海外拠点のB to C、B to Bのお客さまへの新たなアプローチを通じて、お客さまアカウント数1,000万件の目標の早期達成を目指します。
③ お客さまと社会のレジリエンス向上
「ミライ価値」の3つ目は、「お客さまと社会のレジリエンス向上」です。阪神・淡路大震災や東日本大震災、大阪北部地震からの復旧・復興活動を経験した私たちは、これらの経験を生かし、お客さまと社会のレジリエンス向上に向けて不断の努力を続けてきました。今後、気候変動対応やエネルギー安定供給の観点から、国内・海外でのエネルギーレジリエンスの重要性は益々高まると思われます。天然ガスサプライチェーンにおける一層の「安定・安全」の確保に努めるとともに、再生可能エネルギーと分散型電源を組み合わせることで、自然災害による大規模停電発生時の非常電源の確保や電力系統の安定化など、エネルギーレジリエンスのさらなる向上に取り組んでいきます。
また、IoTを活用して機器や設備の故障を予防したり、メンテナンスサービスの品質を高めたりすることによって、お客さまの日々の暮らしやビジネスにおける「安心・安全」の向上を図ります。こうした取り組みは国内だけでなく、海外・アジアなどでも幅広く展開していきます。
企業グループとしてのステージ向上
このように私たちは、従来の提供価値を一段と進化させるべく、「ミライ価値」の創造に挑戦していきますが、そのためには、同時に私たちが企業グループとしてのステージを向上させ、進化・成長していくことも欠かせません。そこで、次の3つの重点的な取り組みを通じて、グループの収益力を高めるとともに、変化に柔軟に対応できる経営基盤の強化を図ります。
① 事業ポートフォリオ経営の進化
1つ目は、「事業ポートフォリオ経営の進化」です。企業グループとしてのステージ向上のためには、各事業ユニットにおいて、利益成長を求めるだけでなく、資本効率も高め、その集合体であるDaigasグループ全体の事業ポートフォリオを強靭化していくことが必要です。そうした財務健全性の観点から、新たな経営指標であるROICを導入し、各事業がそれぞれバランスシートをより意識して活動できるよう経営管理を一層進化させます。中期経営計画の実施による成果として、ROIC5%程度を達成するとともに、営業キャッシュ・フローを直近3カ年度の1.5倍に引き上げ、それら利益成長に応じた株主還元を目指します。
② デジタルトランスフォーメーションによる
事業変革
2つ目は、「デジタルトランスフォーメーションによる事業変革」です。デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進は、社内のデータマネジメントの進化や業務プロセスの改革による生産性向上と、革新的なお客さまサービスを創造・提供するソリューション力向上、その両面で推進していきます。特に、お客さまとの「つながりを強める」という側面から、あらゆる業務でのデジタル化と業務改革を進めることにより、従来のビジネスモデルの変革とイノベーションの創出につなげていきます。
2021年4月、DX推進室を企画部内に新設するとともに、全社委員会としてDX推進委員会を発足させ、トップダウンによる推進体制のもとで活動を展開しています。
③ 従業員一人ひとりの価値の最大化
3つ目は、「従業員一人ひとりの価値の最大化」です。企業の価値創造の源泉であり、成長の原動力である従業員については、一人ひとりの価値の最大化を図り、グループ全体の総合力を高めていきます。そのために、従業員の働く場所や働き方において、より安全で柔軟な選択が可能となる環境整備を進めるとともに、多様な人材が活躍できるダイバーシティ&インクルージョンの実現に努めます。さらには、失敗を恐れず、前向きに社会課題の解決にチャレンジできる、心理的安定性の高い組織・風土づくりや、自社に対する愛着・貢献意欲といった従業員エンゲージメントの向上にも注力しています。
また、2021年3月には、従業員の安全の確保と健康な心身の維持向上が全ての業務の基盤であるとする「Daigasグループ健康経営宣言」を発表しました。この宣言に基づき、健全な生活習慣を担保するための行動指針を全従業員に周知し、健康増進に向けた各人の取り組みを促進しています。
以上が「中期経営計画2023」の概要となります。私たちは、これらの取り組みをグローバルに、従来の枠を超えて展開し、お客さまに選ばれ続ける企業グループへと進化するとともに、持続可能な社会の実現に向けて一層貢献していきます。
「ミライ価値」実現によるSDGsへの貢献
最後になりますが、当社グループのSDGs(持続可能な開発目標)への貢献、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営について申し上げます。
私たちは、「ミライ価値」の実現に向けた事業活動を推進することで、SDGsの達成にも貢献できると考えています。低・脱炭素社会実現に向けた取り組みや安定的でレジリエンスの高いエネルギーインフラの構築、環境と経済を両立させる持続可能なまちづくりの推進等はまさにその目的にかなうものです。他社とのアライアンスやステークホルダーとのパートナーシップを大切にしながら、SDGsへの貢献に積極的に取り組んでいきます。
ESG経営を通じたステークホルダーの
信任獲得
一方で、当社グループがこれからも持続的な成長を果たすためには、ESGに配慮した経営を着実に推進し、ステークホルダーの皆さまから信任を得続けることが必須であることは申すまでもありません。
当社グループは、創業以来、お客さまや社会のお役に立つことを使命に、時代の変化に即した商品・サービスの提供に努めるなど、様々な形でESGに配慮した経営を行ってきました。2007年には日本の公益企業として初めて「国連グローバル・コンパクト」への参加を表明し、企業が国際社会の良き一員として取り組むべき原則を支持しています。また、2021年4月には、今回の中期経営計画のスタートに合わせ、当社グループの普遍的な企業姿勢を示すものとして「Daigasグループ企業行動憲章」を改定するとともに、国際的に人権意識が高まるなか、新たに「Daigasグループ人権方針」を発表しました。
ガバナンスの強化については、引き続き適正な情報開示を行うことはもとより、グループ全体での公正な事業運営の徹底、ダイバーシティの推進や情報セキュリティの強化を一層進めていきます。すでに執行と監督の分離を行っており、業務執行機能と監督機能を一段と強化することを目的に、取締役会を社外取締役が3分の1以上を占める構成としています。以上の取り組みにより、コーポレート・ガバナンスのさらなる向上を目指します。
私たちは、こうしたESG経営の実践を通じて、ステークホルダーの皆さまの確かな信任を得るとともに、グループの総合力を発揮し、持続可能な成長の実現に向けてチャレンジを続けていきます。
- Daigasグループの
サステナビリティ -
トップコミットメント
サステナビリティへの取り組み
活動トピックスと指標に
対する実績 トランジションボンド- Daigasグループの価値観と
サステナビリティ推進体制 -
Daigasグループの理念体系
Daigasグループ企業行動憲章と
マネジメント方針 Daigasグループ企業行動基準 サステナビリティ推進体制と
マネジメント ステークホルダー
エンゲージメント 参加イニシアチブ 外部からの評価・表彰
- サステナビリティ経営と
価値創造プロセス -
Daigasグループの
価値創造プロセス 長期経営ビジョン2030 中期経営計画2023 Daigasグループ カーボン
ニュートラルビジョン
- 優先的な取り組み
(マテリアリティ) -
Daigasグループのマテリアリティ
マテリアリティの見直しサイクル
顧客の安全衛生(2020年度報告)
大気への排出/エネルギー
(2020年度報告) 地域コミュニティ
(2020年度報告) 顧客プライバシー
(2020年度報告) サプライヤーの評価
(2020年度報告) 研修と教育(2020年度報告) ダイバーシティと機会均等
(2020年度報告) 経済パフォーマンス
(2020年度報告) お客さま価値の創造(憲章Ⅰ) 環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) 社会とのコミュニケーションと
社会貢献(憲章Ⅲ) 人権の尊重(憲章Ⅳ) コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) 人間成長を目指した企業経営
(憲章Ⅵ)
- コーポレート・ガバナンス
- コーポレート・ガバナンス リスクマネジメント コンプライアンス 社外取締役メッセージ
- バリューチェーンと
サステナビリティ -
バリューチェーンと
ステークホルダーへの配慮 主なエネルギーバリュー
チェーンが社会に与える影響と
サステナビリティの取り組み
- Daigasグループの価値観と
- 2020年度
サステナビリティ活動報告 -
- お客さま価値の創造(憲章Ⅰ)
-
憲章Ⅰ インデックス
お客さまの価値創造に対する
マネジメント 安心・安全1 調達段階 安心・安全2 製造段階 安心・安全3 供給段階 安心・安全4 消費段階 お客さまの声を生かす取り組み 新たな価値提案
- 環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) -
憲章Ⅱ インデックス
環境との調和と持続可能な
社会への貢献に対する
マネジメント 環境経営 ‐環境マネジメント‐ 環境経営 -指標・目標と実績- 気候変動への取り組み
‐リスクと機会の認識と対応‐ 気候変動への取り組み
‐CO2排出量削減効果の評価‐ 気候変動への取り組み
‐事業活動でのCO2削減貢献‐ 気候変動への取り組み
‐お客さま先のCO2削減貢献‐ 資源循環に向けた取り組み 生物多様性への取り組み 環境技術への取り組み 環境リスク低減への取り組み グリーン購買の促進 環境コミュニケーション
- 社会とのコミュニケーション
と社会貢献(憲章Ⅲ) -
憲章Ⅲ インデックス
社会とのコミュニケーションと
社会貢献に対するマネジメント 社会貢献活動 企業ボランティア活動
「“小さな灯”運動」 社会とのコミュニケーション活動 財団活動
- 人権の尊重(憲章Ⅳ)
- 憲章Ⅳ インデックス 人権の尊重に対するマネジメント 人権デュー・ディリジェンス 人権啓発への取り組み
- コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) -
憲章Ⅴ インデックス
コンプライアンスの推進に
対するマネジメント コンプライアンスの推進 個人情報保護の取り組み 情報セキュリティ お取引先の方などからの
相談・報告
- 人間成長を目指した
企業経営(憲章Ⅵ) -
憲章Ⅵ インデックス
人間成長を目指した企業経営に
対するマネジメント 雇用 多様性の受容 ワーク・ライフ・バランス 人材育成と処遇 従業員と会社の
コミュニケーション 安全衛生
- ガイダンス・ガイドライン
対照表とESGデータ -
ガイドライン対照表
- ESGデータ集
- 環境パフォーマンスデータ 社会データ ガバナンスデータ