安心・安全1 調達段階
- 特定したマテリアリティ
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顧客の安全衛生
416-1
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取り組みの背景・考え方
近年、エネルギーセキュリティの観点から天然ガスへの期待と需要が高まっています。大阪ガスでは調達先のさらなる多様化を図り、液化天然ガス(LNG)等の原料の安定確保に努めるとともに、契約価格指標の多様化を図り、市場競争力のある原料調達の実現を目指しています。各国からの原料調達については、自社保有船も含むLNG船の効率的な運用を行い、迅速かつ安全、確実な輸送に努めています。
また、LNGの安定調達と収益獲得のため、液化事業・ガス田等のプロジェクトへの参画に取り組んでいます。
これらバリューチェーン一連の業務プロセスにおいて生じる社会・環境への影響については、お取引先と連携を図りながら責任ある対応が必要と考えており、「Daigasグループ調達方針」を定め、「Daigasグループ取引先の皆さまへのお願い」とともにお取引先に周知しています。
LNGの長期購入契約を締結しているLNG売主には、2013年に発行された欧州委員会「『ビジネスと人権に関する指導原則』の実施に係る石油・ガス業界向けガイド」等を参考に、コーポレート・ガバナンス、人権、労働、環境、地域社会への配慮の項目について、方針や取り組み、情報開示の状況を確認するアンケートを実施しています。
原料安定調達の取り組み
調達先多様化による安定調達の実現
都市ガスの原料や発電の燃料である天然ガスの埋蔵地域は世界中に広がっています。大阪ガスは1972年にブルネイからLNGの輸入を開始した後、調達先の多様化を進めてきました。2019年12月にはアメリカ・テキサス州における天然ガスの液化事業が開始することになりました。また、アメリカ産LNGの調達により、従来は原油価格に連動して価格が決定されていた調達に、アメリカでの天然ガスの先物取引価格の指標であるヘンリーハブ価格に連動して価格が決定される調達が加わりました。
この価格指標の多様化により、原油価格変動時のLNG価格の安定化につながることに加え、液化事業に投資することでヘンリーハブ価格に連動するLNGのなかでも原価に近い価格競争力のあるLNGを調達することができます。今後もより一層の低廉かつ安定的なLNG調達に努めます。
■ 大阪ガスのLNG取扱量実績(発電・卸用を含む)

LNG権益の取得など上流事業の拡大
大阪ガスは、日本のエネルギー企業としては早い時期から上流事業に取り組んできました。1990年にインドネシアでのガス田開発事業に参入して以降、各国のガス・石油開発プロジェクトに参画してきました。
今後の上流事業については、投資するという立場だけではなく、国内でガス・電力事業を行う買い手としての立場を活用しながら、既存プロジェクトを確実に進めるとともに、相対的にリスクの低い生産・開発中案件を中心とした新規開発案件を取得することを目指します。
■ Daigasグループの上流事業(2022 年3月31日現在)
案件名 | 所在地 | 種別 | 参画比率 | 参画年 |
---|---|---|---|---|
サンライズ | オーストラリア・東ティモール | LNG | 10% | 2000年 |
カルハットLNG | オマーン | LNG | 3% | 2006年 |
クラックス | オーストラリア | LNG・油 | 3% | 2007年 |
ゴーゴン | オーストラリア | LNG・油 | 1.25% | 2009年 |
イクシス | オーストラリア | LNG・油 | 1.2% | 2012年 |
東テキサスシェールガス (Sabine Oil & Gas Corporation) |
米国 | 天然ガス・ コンデンセート ・天然ガス液※ |
100% | 2018年 |
- ※ NGL(Natural Gas Liquids)の訳語。天然ガスから分離・回収した液体炭化水素で、常温・常圧では液体となるもの
米国シェールガス開発会社
Sabine Oil & Gas Corporationの全株式を取得
大阪ガスと米国テキサス州でシェールガス開発事業を行うSabine Oil & Gas Holdings※は、2019年7月28日(米国現地時間)、大阪ガスが米国子会社を通じて、Sabine Oil & Gas Corporation(以下、サビン社)の全発行済株式を取得する株式売買契約を締結しました。
本件は、日本企業として初めて米国シェールガス開発会社を買収するもので、当社はフリーポートLNG事業と発電事業に加え、シェールガス開発事業を米国エネルギー事業における3本目の柱に位置付け、さらなる収益拡大を進めていきます。
サビン社は、米国テキサス州東部に、琵琶湖の2倍に相当する約1,300k㎡の鉱区を保有しており、2021年には約900本の井戸から、LNG換算で約280万t/年相当のガスを生産しています。当エリアは今後さらなる新規開発のポテンシャルを有する優良な鉱区です。
当社は、2018年7月にサビン社が保有する鉱区の約半分にあたる東側エリアのガス田権益を35%取得し、参画時の想定を超える生産量および収益を得てきました。本買収により、当社は生産中の井戸が多く、安定した収益が得られている西側エリアも含め、サビン社が持つ全ての鉱区を保有することになりました。
また、当社は2018年の事業参画以降、サビン社との協業を通じて同社の優れたマネジメントによる高いオペレーター能力を確認してきました。本買収により、米国のエネルギー上流事業においてプロジェクトを主体的に推進するオペレーターシップを獲得することで、より戦略的な事業運営を実現しています。当社は米国子会社のシェールガス開発部門をサビン社と統合することで、サビン社を米国エネルギー上流事業の推進母体として、効率的かつ持続的な事業の成長を目指します。
- ※ Sabine Oil & Gas Holdingsは、Sabine Oil & Gas Corporationの100%株主
LNG船団の拡充
-
「LNG JUNO」
(エルエヌジー ジュノー) -
大阪ガスでは、現在8隻からなるLNG船団を用いて、LNGの輸送力の確保に努めています。
今後、フリーポートプロジェクト等、新規プロジェクトの開始に伴いLNGの輸送量が拡大するなか、当社は既存船団を有効に活用することに加え、適宜船団を拡充することで、安定的かつ経済的な原料調達に努め、天然ガスの普及に取り組んでいきます。
■ 大阪ガスのLNG船団(2022年3月31日現在)
船名 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LNG JAMAL |
LNG DREAM |
LNG BARKA |
LNG JUPITER |
LNG VENUS |
LNG MARS |
LNG JUNO |
LNG SATURN |
|
積載容量 | 135,000m³ | 145,000m³ | 153,000m³ | 153,000m³ | 153,000m³ | 153,000m³ | 180,000m³ | 153,000m³ |
タンク 形式 |
モス×5基 | モス×4基 | モス×4基 | モス×4基 | モス×4基 | モス×4基 | モス×4基 | モス×4基 |
船舶 管理者 |
日本郵船(株) | 日本郵船(株) | 日本郵船(株) | 日本郵船(株) | (株) 商船三井 |
(株) 商船三井 |
(株) 商船三井 |
(株) 商船三井 |
建造 造船所 |
三菱重工業(株) | 川崎重工業(株) | 川崎重工業(株) | 川崎重工業(株) | 三菱重工業(株) | 三菱重工業(株) | 三菱造船(株) | 三菱重工業(株) |
就航 利用開始 |
2000年 | 2006年 | 2008年 | 2009年 | 2014年 | 2016年 | 2018年 | 2020年 (就航2016年) |
フリーポートLNGプロジェクトの商業運転を開始
-
フリーポートLNG基地
Freeport LNG Development, L.P.提供 -
大阪ガスと(株)JERAがFLNGリクイファクション社(以下、第1系列液化会社)を通じて参画している米国テキサス州におけるフリーポートLNGプロジェクトは、2019年12月に液化天然ガス(LNG)生産設備第1系列において商業運転を開始しました。
本プロジェクトは、米国のガス市場から調達した天然ガスを輸出用に液化加工するもので、フリーポート社がオペレーターとして推進しているLNGプロジェクトです。当社と(株)JERAは、第1系列液化会社との間の液化加工契約に基づき、それぞれ年間約232万tのLNGを引き取ります。
また、本プロジェクトからのLNG調達を通じて、仕向地制限のないLNGを確保するとともに、供給ソースの分散化や価格指標の多様化を進め、安定的かつ柔軟なLNG調達に努めます。
■フリーポートLNGプロジェクトの概要
所在地 | 米国テキサス州 フリーポート市 |
---|---|
液化設備能力 | 約500万t/年×3系列 |
契約容量 |
大阪ガス:約232万t/年(液化加工契約20年間) JERA:約232万t/年(液化加工契約20年間) |
- Daigasグループの
サステナビリティ -
トップコミットメント
サステナビリティへの取り組み
活動トピックスと指標に
対する実績 トランジション
ファイナンス- Daigasグループの価値観と
サステナビリティ推進体制 -
Daigasグループの理念体系
Daigasグループ企業行動憲章と
マネジメント方針 Daigasグループ企業行動基準 サステナビリティ推進体制と
マネジメント ステークホルダー
エンゲージメント 参加イニシアチブ 外部からの評価・表彰
- サステナビリティ経営と
価値創造プロセス -
Daigasグループの
価値創造プロセス 長期経営ビジョン2030/
中期経営計画2023 中期経営計画2023 Daigasグループ カーボン
ニュートラルビジョン
- 優先的な取り組み
(マテリアリティ) -
Daigasグループのマテリアリティ
マテリアリティの見直しサイクル
お客さま価値の創造(憲章Ⅰ)
環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) 社会とのコミュニケーションと
社会貢献(憲章Ⅲ) 人権の尊重(憲章Ⅳ) コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) 人間成長を目指した企業経営
(憲章Ⅵ)
- コーポレート・ガバナンス
- コーポレート・ガバナンス リスクマネジメント コンプライアンス 社外取締役メッセージ
- バリューチェーンと
サステナビリティ -
バリューチェーンと
ステークホルダーへの配慮 主なエネルギーバリュー
チェーンが社会に与える影響と
サステナビリティの取り組み
- DaigasグループとSDGs
-
特集:ミライ価値の共創
Daigasグループ カーボンニュート
ラル実現に向けた取り組み 特集バックナンバー
- Daigasグループの価値観と
- 2021年度
サステナビリティ活動報告 -
- お客さま価値の創造(憲章Ⅰ)
-
憲章Ⅰ インデックス
お客さまの価値創造に対する
マネジメント 安心・安全1 調達段階 安心・安全2 製造段階 安心・安全3 供給段階 安心・安全4 消費段階 お客さまの声を生かす取り組み 新たな価値提案
- 環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) -
憲章Ⅱ インデックス
環境との調和と持続可能な
社会への貢献に対する
マネジメント 環境経営 ‐環境マネジメント‐ 環境経営 -指標・目標と実績- 気候変動への取り組み
‐リスクと機会の認識と対応‐ 気候変動への取り組み
‐CO2排出量削減効果の評価‐ 気候変動への取り組み
‐事業活動でのCO2削減貢献‐ 気候変動への取り組み
‐お客さま先のCO2削減貢献‐ 資源循環に向けた取り組み 生物多様性への取り組み 環境技術への取り組み 環境リスク低減への取り組み グリーン購買の促進 環境コミュニケーション
- 社会とのコミュニケーション
と社会貢献(憲章Ⅲ) -
憲章Ⅲ インデックス
社会とのコミュニケーションと
社会貢献に対するマネジメント 地域コミュニティとの共生 企業ボランティア活動
「“小さな灯”運動」 社会貢献活動 財団活動
- 人権の尊重(憲章Ⅳ)
- 憲章Ⅳ インデックス 人権の尊重に対するマネジメント 人権デュー・ディリジェンス 人権啓発への取り組み
- コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) -
憲章Ⅴ インデックス
コンプライアンスの推進に
対するマネジメント コンプライアンスの推進 個人情報保護の取り組み 情報セキュリティ お取引先の方などからの
相談・報告
- 人間成長を目指した
企業経営(憲章Ⅵ) -
憲章Ⅵ インデックス
人間成長を目指した企業経営に
対するマネジメント 雇用 多様性の受容 ワーク・ライフ・バランス 人材育成と処遇 従業員と会社の
コミュニケーション 安全衛生
- ガイダンス・ガイドライン
対照表とESGデータ -
ガイドライン対照表
- ESGデータ集
- 環境パフォーマンスデータ 社会データ ガバナンスデータ