気候変動への取り組み
‐お客さま先のCO2削減貢献‐
- 特定したマテリアリティ
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エネルギー
302-1
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大気への排出
305-5
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取り組みの背景・考え方
世界的な気候変動対応の潮流を踏まえ、低・脱炭素社会の実現に貢献するため、脱炭素技術が確立するまでの確実なCO2排出量削減が重要です。Daigasグループは、事業活動による温室効果ガス排出量の削減だけでなく、お客さま先でのCO2排出量の削減も重要と考えています。当社グループでは、クリーンエネルギーである天然ガスの普及とともに高効率機器の開発や提案など、お客さま先でのCO2排出削減にお役立ちできるよう取り組んでいます。また、お取引先や関係会社と協働で物流におけるCO2排出削減に努めています。
2021年1月には「Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン」を発表し、同年3月には「中期経営計画2023『Creating Value for a Sustainable Future 』」を発表し、低・脱炭素化をさらに推進していきます。
省エネルギー・CO2排出削減効果
第三者検証済 ビューローベリタスジャパン(株)による第三者レビュー済みです。
お客さま先でのCO2排出量を約363万t削減
Daigasグループは、CO2の排出を削減し、気候変動の緩和に貢献できる製品として、家庭用では燃料電池「エネファーム」、高効率給湯器「エコジョーズ」、業務用・産業用ではガスコージェネレーションシステム、ガス吸収冷温水機、ガスエンジンヒートポンプ(GHP)、天然ガス自動車(NGV)などを提案・販売してきました。これらの機器の導入(販売累計)によって、2020年度では約363万tの排出量削減に貢献しています。
お客さま先での取り組み(家庭用)
家庭用コージェネレーションシステム
大阪ガスでは、低炭素社会の実現に向け、省エネルギー・CO2削減に貢献する家庭用コージェネレーションシステムとして、都市ガスから取り出した水素と空気中の酸素の化学反応で発電する燃料電池タイプの「エネファーム」(固体高分子形燃料電池(PEFC))、「エネファームtype S」(固体酸化物形燃料電池(SOFC))の販売・普及に努めています。これらは、発電と同時に発生する熱を給湯等に有効利用する高効率なエネルギーシステムです。
2019年度は、当社はアイシン精機(株)、京セラ(株)、(株)ノーリツ、パーパス(株)、リンナイ(株)と共同で「エネファームtype S」の新製品を開発し※1、2020年4月から発売しました。本製品では、世界最高※2の発電効率55%※3を達成するとともに、本体の大幅な小型化により設置性が向上しました。またスマートフォンの専用アプリと連動させてお使いいただける便利なスイッチをリモコンに追加し、IoTサービスも拡充しました。
「エネファーム」「エネファームtype S」は、2021年3月末現在で累計約14万台を販売し、これは1年あたり約25.7万t※4のCO2排出削減に貢献、杉の木約1,849万本※5の植林に相当します。
- ※1 「エネファームtype S」はクリーンな天然ガスから取り出した水素を空気中の酸素と化学反応させて発電し、発電した電気を家庭内でご利用いただくとともに、その際に出る熱もお湯として有効に利用いただける環境に優しいエネルギーシステムです。開発にあたっては、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの委託業務の結果得た成果を一部活用しています
- ※2 定格出力1kW以下の家庭用燃料電池で世界最高の発電効率(2020年1月末時点の大阪ガス調べ)
- ※3 余剰電力買取をしている場合など、3時間以上安定して定格発電を継続した際の発電効率。上記以外の場合、定格発電効率は54%(総合効率87%)。LPガスの場合の発電効率は53%(総合効率85%)。低位発熱量基準(LowerHeating Value)にて算出
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※4 従来システムの「ガス給湯暖房機」を「エネファーム」、または「エネファームtype S」に変えた場合の当社試算値(戸建住宅4人家族想定)【従来システム】 ガス給湯暖房機、ガス温水床暖房(リビング・ダイニング)、ミストサウナ機能付きガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、電気エアコン
【エネファーム・エネファームtype S】 エネファーム・エネファームtype S、ガス温水式床暖房(リビング・ダイニング)、ミストサウナ機能付きガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、電気エアコン
【CO2排出係数】 ガス:2.29kg-CO2/m3(当社データ)、電気:0.65kg-CO2/kWh(地球温暖化対策計画[2016年5月閣議決定]の2013年度火力電源平均係数より) - ※5 杉の木のCO2吸収量原単位=13.9kg-CO2/年・本(林業白書平成9年より50年杉直径26cm 樹高22m)
■ 「エネファーム」「エネファームtype S」の
累計販売台数

「エネファームtype S」について詳しくはこちらをご覧ください
「エネファームtype S」開発者の声について詳しくはこちらをご覧ください
「世界最高の発電効率と大幅な小型化により設置性が向上した家庭用燃料電池『エネファームtype S』の新製品発売」について詳しくはプレスリリースをご覧ください
家庭用高効率給湯器「エコジョーズ」
家庭用高効率給湯器「エコジョーズ」は、従来は捨てていた燃焼時の排熱を回収し給湯や暖房に活用できるため、省エネルギー性が高く、CO2排出量の削減により地球温暖化緩和に貢献します。
「エコジョーズ」は2021年3月末現在で累計約104万2千台を販売し、これは1年あたり25.1万tのCO2排出削減に貢献します。
■ 「エコジョーズ」の普及状況(累計)

ガスで森をつくる
「ブルー&グリーンプロジェクト」への参加
大阪ガスは、家庭向け高効率ガス機器の普及を促進するとともに、緑豊かな地球を次世代に引き継ぐ「ブルー&グリーンプロジェクト」に、ガス会社・ガス機器メーカー23社とともに2006年6月から参加しています。
このプロジェクトは、省エネルギー型のガス機器の出荷量に応じて植樹活動を推進するというもので、従来の対象機器は「エコウィル」(家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステム)、「エコジョーズ」(家庭用高効率給湯器)の2機種でしたが、2009年度からは「エネファーム」(家庭用燃料電池コージェネレーションシステム)も加わり、より多くのガス機器が対象になっています。第1期となる2014年3月までは、ベトナムでの植樹を支援、2014年4月からは第2期として日本の高田松原(岩手県陸前高田市)の再生に向けた活動を支援しています。
2006年6月のプロジェクト開始以来、対象機器の累計出荷台数は、2009年に当初目標の100万台を突破、2011年10月には200万台を達成し、2021年3月末現在では998万台に達しています。機器の普及によるCO2削減量と植樹によるCO2吸収量を合わせると、年間約296万tのCO2削減に貢献しています。なお、2021年3月末現在、当社での販売貢献台数は約118万台となっています。
太陽光発電
再生可能エネルギーの固定価格買取制度や、東日本大震災以降のエネルギーセキュリティへの関心の高まりを受け、お客さまの太陽光発電システム導入ニーズが高まっています。Daigasグループは、従来提案してきたガスコージェネレーションシステムはもとより、マイホーム発電の一環として住宅用太陽光発電システムの販売・普及にも取り組んでいます。2021年3月末現在で累計約3.1万件を販売し、これは1年あたり6.3万tのCO2排出削減に貢献するものです。
また、太陽光発電システムと「エネファーム」を組み合わせる「ダブル発電」の提案も行っており、2021年3月末現在で累計約4.7万件のお客さまに販売しています。
家庭用高効率ガスコンロ
省エネ法基準を満たした使いやすいコンロを開発
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Siセンサーコンロ
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Daigasグループでは、お客さまが毎日の生活で使うガスコンロについて、調理性能や使いやすさ、お手入れのしやすさといった基本性能の向上を進めながら高効率化を実現しています。バーナ形状やごとく(鍋等を載せる台)の高さの工夫、グリル構造の最適化等を進め、順次商品化しています。
現在、当社グループが販売しているガスコンロは、据置型テーブルコンロ、ビルトインコンロともに、全て「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)の2006 年度基準(コンロバーナ)、2008 年度基準(グリル)を100%満たしています(省エネ法対象外品を除く)。
省エネルギー情報提供
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「かしこいくらしのヒント図鑑」
(大阪ガスウェブサイト) -
Daigasグループでは、お客さまにエネルギーを無駄なく上手にご利用いただくため、各種媒体を通じて、省エネルギーに関する知識や身近な省エネルギー活動に役立つ情報等を提供しています。
お客さま宅に配布する検針票には、当月だけでなく前年同月の使用量も記載しており、ガスのご使用状況を比較可能としています。また、大阪ガスウェブサイトには「かしこいくらしのヒント図鑑」を掲載し、ご家庭でできる省エネルギー行動例やその効果も紹介しています。さらに、定期保安巡回時にお客さまに配布する「ガスご使用の手引き(あんしんガイド)」等の冊子にも、省エネルギーのための行動やアイデア、ガス機器のお手入れ術等を掲載しています。
お客さま先での取り組み(業務用・産業用)
業務用・産業用ガスコージェネレーション
システムの普及・技術開発
分散型電源システムは、必要な場所で発電し、同時に発生する排熱をその場で給湯・空調等に有効利用できるため、高い環境性と経済性を両立します。Daigasグループでは、工場やオフィス、商業施設等の業務用・産業用の分野においても、環境負荷の少ないガスを燃料としたガスコージェネレーションシステムの普及・技術開発に力を入れています。
大阪ガスは1998年に業界で初めて業務用マイクロコージェネレーションシステムを発売して以来、節電効果はもちろんのこと、停電対応機のラインアップを拡充し、工場、病院、福祉施設、ホテル、温浴施設、飲食店等の様々な業種のお客さまに採用していただいてきました。2021年3月末現在、供給エリア内で4,691台/1,542千kWが稼働しています。
また、お客さまの多様なご要望に応えるため、さらにエネルギー効率や信頼性を向上させる技術開発を進めています。
今後もさらなるコージェネレーションシステムの拡販により、省エネルギー、環境負荷の軽減に貢献していきます。
■ 業務用・産業用ガスコージェネレーション
システム累積設置容量・台数

2020 TOPIC)三井化学大阪工場にて高効率ガスタービン発電システムの営業運転を開始
~分散型電源導入によりCO2排出量削減に貢献~
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高効率ガスタービン発電システム全景
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大阪ガスの100%子会社のDaigasエナジー(株)は、三井化学(株)大阪工場内に高効率ガスタービン発電システムを設置し、2020年12月1日より、営業運転を開始しました。
本件は、経済産業省の「平成30年度 省エネルギー投資促進に向けた支援補助金(エネルギー使用合理化等事業者支援事業)」※1に採択され、三井化学と共同で実施するものです。
本件では、三井化学大阪工場内に、都市ガスを燃料に設備を運転し電気と熱を供給する分散型電源である高効率ガスタービン発電システムを、エネルギーサービス契約※2により導入します。工場内の自家発電比率が向上することで、ピーク電力カットに寄与します。また、本システムから発生する高温排ガスを、工場内で燃焼用空気として利用することで、7万トン/年のCO2排出量削減に貢献します。
- ※1 民間団体等が行う、事業者が計画したエネルギー使用合理化および電気需要平準化の取り組みのうち、省エネルギー性能の高い機器と設備並びに電力ピーク対策に資する機器と設備の導入に要する経費の一部を補助する事業の実施に要する経費を補助する事業
- ※2 エネルギー設備の提案に際し、お客さまに購入いただくのではなく、Daigasエナジーがお客さまの施設に設備を持ち込みイニシャルレスを実現する契約
高効率ガス空調システムの開発と普及
節電や省エネルギーに貢献するガスを使った空調システムには、大型ビルや商業施設のセントラル空調に利用されるナチュラルチラー(NC:吸収冷温水機)やオフィス等の個別空調に利用されるガスエンジンヒートポンプ(GHP)があります。
NCは、燃料を都市ガスとして、冷房用に冷水を、暖房用に温水を供給する空調システムで、冷媒にはフロンではなく水を使用します。Daigasグループでは、NCのなかでも特に環境負荷低減効果が大きい機種を「グリーン機種」として選定し、導入を積極的にお客さまに推奨しています。
またGHPは、ガスエンジンでコンプレッサーを駆動し、屋外の空気から熱を集めて屋内に入れることで暖房し、屋内の空気から熱を集めて屋外に出すことで冷房します。
東京ガス(株)、東邦ガス(株)と大阪ガスのガス3社は、省エネと節電を実現する超高効率GHPの最新機種として、従来機から省エネ性、機能性、設置性等をさらに向上させた「GHP XAIR Ⅲ(エグゼアスリー)」を、アイシン精機(株)、パナソニック(株)、ヤンマーエネルギーシステム(株)と共同で開発し、2020年4月から順次販売を開始しました。「GHP XAIR Ⅲ」は、その省エネ性、機能性が認められ2020年度省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞、2021年度日本ガス協会技術賞を受賞しました。
また、GHPと電気ヒートポンプ(EHP)を遠隔制御により最適に運転するハイブリッド空調システム「スマートマルチ」を2016年7月より販売を開始し、現在では4メーカー、6機種にまでラインアップを拡充しました。2018年度には、「スマートマルチ」の省エネ性が認められ平成30年度省エネ大賞(製品・ビジネスモデル部門)を受賞しました。
「省エネと節電を実現するガス冷暖房システムの最新モデル『GHP XAIR(エグゼア)Ⅲ』を開発 ~性能・機能がさらに進化した新型ガスエンジンヒートポンプ~」について詳しくはプレスリリースをご覧ください
省エネルギーを実現するガス焚きボイラの開発
簡易貫流ボイラは、小型軽量で運転資格が不要という特長があり、蒸気を大量に必要とするクリーニング店や食品・繊維・化学工場など幅広いお客さまに利用されています。
大阪ガスは、簡易貫流ボイラ(蒸気や熱媒)について、様々なメーカーやガス事業者と共同で新製品を開発し、提案・販売しています。
各製品は、従来機に比べ、より低負荷での燃焼を実現するとともに、燃焼時に出る排ガスからの熱回収量を約15%増加させることで、ボイラ運転効率を向上させました。また、送風機の消費電力の低減も実施し、省エネルギーを図っています。
また、2017年度にはベンチュリサクション技術※を採用した日本初の低圧ガス対応の「ガス焚き小型貫流蒸気ボイラSQ-1200ZL」やクラス最高性能の換算蒸発量1,000kg/hボイラを共同開発し、より幅広いお客さまにご利用いただくことで、省エネルギーおよび環境への貢献に取り組んでいきます。
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※ 「ベンチュリサクション技術」を採用することで低圧ガス仕様を実現
「ベンチュリサクション技術」とは、送風機吸込口に設置されたベンチュリ(流体の流れの断面積を狭めて流速を増加させることで、圧力が低い部分を作り出す機構)に空気が流れることで発生した負圧を利用してガス燃料が吸引され、バーナに供給できる技術です。従来機では、送風機の吐出側の圧力の高い部分にガス燃料を送り込んで、ガスと空気を混合していたため中圧ガスを必要としましたが、本技術を採用することで、大容量のボイラにおいても低圧ガス仕様を実現することができました。中圧ガス配管が不要となるため、幅広いお客さまにご利用頂くことが可能となります

ガス焚き高効率簡易貫流ボイラ「EQRH-1001NM」について詳しくはプレスリリースをご覧ください
高性能ガス焚き簡易貫流熱媒ボイラ「ねつばいくん(SN-20GH)」について詳しくはプレスリリースをご覧ください
「日本初、低圧ガス対応の換算蒸発量1,200kg/hボイラを共同開発~『ベンチュリサクション技術』採用~」について詳しくはプレスリリースをご覧ください
「クラス最高性能の換算蒸発量1000kg/hボイラを共同開発~ ボイラ効率98%とターンダウン比1:5を実現 ~」について詳しくはプレスリリースをご覧ください
高効率工業用バーナ「リジェネバーナシステム」
の開発
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高効率工業用バーナ
「リジェネバーナシステム」 -
Daigasグループは、1,600機種にのぼる工業用バーナ、熱交換器を開発し、高性能制御システムの開発などバーナの省エネルギー化を追求、各業種・業態のお客さま先でのCO2排出削減に貢献しています。
なかでも、工業炉で極めて高効率に排熱回収できる燃焼加熱システム「リジェネバーナシステム」の開発・提案に注力しています。「リジェネバーナシステム」では、蓄熱体を内蔵したバーナ2台を1対として数十秒間隔で交互に燃焼させます。一方のバーナが燃焼しているときは、その排気を他方のバーナの蓄熱体を通して排出し、次にその他方のバーナが燃焼するときに燃焼用空気を蓄熱体で予熱して排熱回収します。このようにして、約35~50%の省エネルギーを実現します。これまで鍛造・圧延・熱処理業種向けに様々な形式・容量のラインアップを開発しています。
このほか、ビンや自動車・建材用ガラスを生産する硝子溶解炉向け天然ガス専焼バーナの開発、各種用途に向けた高効率バーナの開発を進めており、CO2削減の切り札としてお客さま先での導入を進めています。
物流のCO2排出削減
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CNGを専用燃料とする
「LNGローリー車」 -
日本では、貨物自動車の台数は全体の自動車台数比では20%弱でありながら、物流部門におけるCO2排出量は約35%と高く、特に大型トラックは1台あたりの排出量が大きいため、大型天然ガストラックの導入はCO2排出削減効果が高いといえます。(一財)環境優良車普及機構(LEVO)の走行実証試験の報告によると、大型天然ガストラックは大型ディーゼルトラックに対し、CO2排出量は12.9%低減しています。大阪ガスでは長距離の都市間輸送での大型天然ガストラックと都市内輸送での中・小型天然ガストラックの普及に努めていきます。
また、LNGローリー車においてもCNG(Compressed Natural Gas:圧縮天然ガス)を専用燃料とする輸送を開始しており、そのLNGローリー車は、軽油を燃料とするローリー車と比較してCO2排出量を約7%削減することができます。
2018年6月に大阪南港に日本初の商用LNGステーションが開所され、大型LNGトラックの走行が開始されました。LNGは燃料の搭載効率が高いため、1,000km以上の航続距離とさらなるCO2排出量削減が期待されます。
お客さまと一体となった省エネルギー活動の実践
業務用・産業用のお客さま先における省エネルギー、ひいては地域・地球規模の環境保全に貢献できるよう、Daigasグループでは、お客さまと一体となった省エネルギー活動を推進しています。
工場や病院等業務用設備の専門部隊がお客さま先の設備を精査し、熱計測診断を実施し、その結果をもとにお客さまに最適な省エネルギー対策をご提案しています。
お客さま先での省エネルギー活動を通してお客さまとの信頼関係を深めるのはもちろんのこと、自社内でも実績例に基づく様々な研修会の開催に取り組み、省エネルギー技術の蓄積・共有化および省エネルギー技術に詳しい人材の育成を継続的に行っています。
また、大阪ガスは関西の地元企業への天然ガス機器導入を促進するとともに、国の「J-クレジット制度」を活用して、関西での様々なイベントで排出されるCO2を実質ゼロにする取り組み「チャレンジ!カーボンオフセット」を展開しています。
当社は、地元企業のお客さまが、都市ガスを燃料とするボイラやガスコージェネレーションシステムなどの高効率ガス機器を導入された際のCO2削減量をクレジット化したものを地元でのスポーツイベントや地方自治体のイベント等の「カーボン・オフセット」に活用することで、それらイベントから排出されるCO2の実質ゼロ化に取り組んでいます。これによって、地元企業のクレジットを地元のイベントで活用する「地産地消」を目指しています。
2020年度は全体で502tのCO2(一般家庭約126世帯分※)を削減しました。
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※ 一般家庭世帯のCO2排出量の算出について
全国地球温暖化防止活動推進センターHPのデータを基に大阪ガスが試算した値を参考に、一般家庭一世帯あたりのCO2排出量を約4t-CO2としています
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お客さま設備の省エネルギー活動(熱計測診断)
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「チャレンジ!カーボンオフセット」
■ 2020年度の主なオフセットイベントの一覧
イベント | 主催 | CO2排出量(t-CO2) |
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いこま環境フェスティバル | 生駒市 | 1 |
セレッソ大阪ホームゲーム | (株)セレッソ大阪 | 501 |
合計 | 502 |
様々なICTサービスを展開
Daigasグループでは、最適なエネルギー・高効率機器の提案とともに、ソフト面でも省エネルギーに役立つ多くの取り組みを進めています。情報通信技術(ICT)を活用したサービスも用意しており、多くのお客さまにご利用いただいています。
たとえば、「エネフレックス」は、インターネット経由でガスエンジンヒートポンプ(GHP)等の運転状況やエネルギー使用状況をインターネットやメールでお客さまに提供したり、GHPの遠隔操作ができたりするICTサービスというものです。エネルギー使用状況を「見える化」することで、お客さまの継続的な省エネルギー活動をサポートしています。
さらに、GHPの自動省エネルギー制御を行うパトロール機能、省エネルギー制御機能、間引き制御機能や料金按分機能のメニューを有する「エネフレックスプレミアム」も開発し、ご多忙なお客さまでも手間なく省エネルギーを実現できるお手伝いをさせていただいております。
■ 様々なご要望にお応えするICTサービスを展開中

2016年度には、無線や電池を活用し、小規模な建物でも安価で簡易に設置できるリアルタイムデータ計測サービス「ekul(イークル)」を開始しました。2019年4月からは簡易データ計測サービス「ekul」の新たなプランとして、京セラコミュニケーションシステム(株)が展開する、低価格・低消費電力・長距離伝送を特長としたIoTネットワーク「Sigfox(シグフォックス)」※を活用した「ekul lite(イークル ライト)」を提供しています。近年、少子高齢化や人手不足、環境・エネルギー問題などの社会的課題に対する解決策として、IoT活用が注目されており、「ekul lite」は、よりシンプルに、より安く、IoT導入を進めたいというお客さまが数多くおられることから、少点数計測から始めたいお客さま向けの新プランとなっています。
今後さらにお客さまの利便性・経済性の向上に貢献していきます。
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※ Sigfox(シグフォックス)
京セラコミュニケーションシステム(株)は、フランスのSigfox S.A.が提供するIoTネットワーク「Sigfox」を日本で独占展開しています。「Sigfox」は、LPWA(Low Power Wide Area)(※)を代表するネットワークとして欧米を中心に60カ国で展開され、国内ではKCCSがインフラ構築およびネットワークサービスを提供しています
(※)少ない消費電力で、km単位の距離で通信できる無線通信技術の総称です。機器のバッテリー消費を抑えながら、データを収集する基地局まで電波を届けることができるため、特にIoT(Internet of Things)向けに有用な技術であると注目を集めています
東南アジアにおける中下流事業展開
Daigasグループでは、製造業の比率が高く、日系企業が多数進出するなど経済成長が見込める有望な市場である東南アジアを重点エリアとし、海外での中下流事業展開の可能性について2010年頃から現地市場調査を開始しました。
シンガポールにおける取り組み
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City-OGのメンバー
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大阪ガスと現地ガス事業者であるCity Gas Pte. Ltd.(以下、CITY GAS)は、2013年8月にシンガポールの産業用市場で天然ガス販売事業を共同で行うことに合意し、CITY GASが新たに設立した産業用天然ガス販売会社City-OG Gas Energy Services Pte. Ltd.(以下、City-OG)の株式売買契約を締結し、大阪ガスとして初の海外におけるガス販売事業を開始しました。
City-OGには、Osaka Gas Singapore Pte. Ltd.(以下、OGS)から5人とCITY GASから 5人の計10人が在籍しています(2021年4月現在)。
OGSメンバーはボイラ燃料転換等の提案営業、CITY GASメンバーは現地のお客さまへのアプローチおよび現地の手続き等で互いの強みを発揮しています。2013年8月に事業開始以降、新たに39件のお客さまに契約を締結いただき、合計50社以上のお客さまにガスを供給しています(2021年4月現在)。
2019年度は、当社はOGSを通じて(株)国際協力銀行とともに、AGP International Holdings Pte. Ltd.(以下、AGP IH)に出資するとともに、AGP IHと天然ガスバリューチェーンに関する戦略的協業契約を締結しました。AGPグループは、フィリピンにおいて100年以上の歴史を持つ建設・エンジニアリング事業を基盤とする企業グループです。LNG事業における確かな技術力や、高いマーケティング能力を有しており、東南アジアやインドを中心に浮体式LNG基地事業や都市ガス事業に参画するなど、積極的に需要を開拓し、LNG事業の拡大を進めています。
今回の出資および戦略的協業契約の締結により、AGPグループが有するLNG事業における案件発掘力やエンジニアリング力と、当社が国内で蓄積してきたLNGやパイプラインなどに関する知見を相互に活用することで、東南アジアをはじめとしたLNG新興国において、天然ガスバリューチェーンの構築に取り組みます。
タイにおける取り組み
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OGT・OGPSのメンバー
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大阪ガスはタイの産業用市場で、天然ガスの利用に関するエンジニアリング力をベースとしたエネルギーソリューションノウハウを活用し、エネルギーサービス(ES)事業※1を中心に事業展開をしており、ボイラ・工業炉等設置工事をはじめ、CNG供給や水、バイオ等、ユーティリティー事業全般に取り組んでいます。
2013年10月に新会社OSAKA GAS (THAILAND) CO., LTD.(以下、OGT)をタイに設立しました。大阪ガス出向者14人とタイ現地スタッフ14人の計28人が在籍しており、2013年10月事業開始後、9件のCNG供給、2件のES、70件以上の設備工事やコンサルティング業務を受注しています(2021年4月現在)。
2014年7月には、大阪ガスおよび日鉄エンジニアリング(株)(以下、NSE / 当時の社名:新日鉄住金エンジニアリング(株))は、タイにおけるガスコージェネレーションシステムを活用したオンサイト事業※2において業務提携することに合意し、NS-OG Energy Solutions(Thailand)Ltd.(以下、NSET)を新たに設立しました。2018年には、タイ国で二輪車製造を行うHondaグループのThai Honda Manufacturing社向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトを竣工し、エネルギー供給を開始しました。同様のエネルギー供給プロジェクトは、同国4件目となります。また、NSEおよびToray Textiles (Thailand)社(以下、TTT / 当時の社名:Luckytex (Thailand) Public Company Limited)とともに、「タイにおけるオンサイトエネルギー供給によるコージェネの導入と高効率安定操業の実現 ~Luckytex (Thailand) Public Company Limited Mill No.2工場への導入事例~」において、(一財)コージェネレーション・エネルギー高度利用センター主催の「コージェネ大賞 2018」※3の産業用部門「理事長賞」を受賞しました。
2015年11月には、タイのPTT Public Company Limitedの子会社との共同出資により、タイにおける産業用顧客向けのES事業を行うOGP Energy Solutions Co.,Ltd.を設立しました。エネルギーサービスや設備工事等あわせて50件以上を受注しています(2021年4月現在)。
- ※1 エネルギーサービス(ES)事業 お客さまが初期投資を行わなくても、使用エネルギー量に応じた料金を支払うだけで、天然ガス設備などを導入できるサービスのことをいいます。お客さまの省エネルギーニーズに合わせて、ボイラや燃焼炉などの天然ガス設備を設置し、蒸気などのエネルギーを供給しています。設置後のエネルギー利用状況の管理・メンテナンスについてもワンストップでサービスを提供することで、省エネルギー化の促進、および、安定したエネルギー供給を実現しています
- ※2 オンサイト事業 お客さまの敷地内または付近にガスコージェネレーションシステムなどを設備の運転・維持管理を行い、電気・熱などを供給するサービスのこと
- ※3 コージェネ大賞 2018 コージェネ大賞とは、コージェネ財団により2012年に創設されました。新規・先導性、新規技術、省エネルギー性などにおいて優れたコージェネレーションシステムを表彰することにより、コージェネの有用性の社会的認知を図るとともに、より優れたコージェネの普及促進につなげることを目的とした表彰制度で、今回で7回目の表彰となります。民生用部門・産業用部門・技術開発部門があり各部門において理事長賞・優秀賞・特別賞が表彰されます
タイ国コージェネレーション設備の高効率化事業
二国間クレジット制度に基づく設備補助事業を採択
大阪ガスと日鉄エンジニアリング(株)(以下「NSE」)が設立したNS-OG Energy Solutions (Thailand) Ltd.(以下「NSET」)は、NSEとともに実施するコージェネレーション設備の高効率化事業において、2019年度「二国間クレジット制度※1資金支援事業のうち設備補助事業」に採択されました。
本事業は、NSETが2016年12月より展開している、東レグループのタイ国現地法人Toray Textiles (Thailand) Public Company Limited 社※2のMill No.2工場向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトにおいて、排ガス熱交換器を追加設置し、排ガス未利用廃熱を有効活用することで、コージェネ設備のさらなる高効率化を実現するものです。既設のコージェネ設備は、総合エネルギー効率91%で運用し、すでに最高レベルを実現していますが、今回の追加設置により、総合エネルギー効率は92%となり、更に年間359tのCO2削減が可能となります。
本補助事業への採択は、タイ国で二輪車製造を行うHondaグループのThai Honda Manufacturing社向けオンサイトエネルギー供給プロジェクトにおける、コージェネ設備の導入に続く2件目となります。
NSETは、顧客工場(オンサイト)に自社スタッフを配置しコージェネ設備を操業する事で状況の変化に合わせたきめ細かな管理を行い、操業方法や設備の改善を通じ、省エネ・省CO2を達成してきました。今回、NSETのエンジニアリング力、操業管理技術が高く評価され、採択にいたりました。
これからも、計画段階のみならず、操業開始後も操業状況にあわせた最適なエネルギーソリューションを提供し、顧客企業の低炭素社会の実現に向けた取り組みや、コア事業へのリソースの集中を支援し、タイ国の持続可能な発展に貢献していきます。
- ※1 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism、JCM)は、日本の持つ優れた低炭素技術や製品、システム、サービス、インフラを途上国に提供することにより、途上国の温室効果ガスの削減など持続可能な開発に貢献し、その成果を二国間で分け合う制度。JCMによって、温室効果ガスの排出削減に対する日本の貢献を定量的に評価することが可能となり、日本の排出削減目標の達成に活用することができます。また、環境省より委託を受けた(公財)地球環境センター(GEC)が、JCMに関する本補助事業の執行団体として、日本の民間企業を対象に公募を行っています
- ※2 Luckytex (Thailand) Public Company Limited社とThai Toray Textile Mills Public Company Limited社との経営統合により2019年7月に設立
また、Osaka Gas Singapore Pte. Ltd.とタイの太陽光発電事業会社であるEnergy Pro Corporation Ltd.は、タイにおいて太陽光発電による電力供給事業を目的とした合弁会社「OE Solar Co., Ltd.」を設立することに2019年7月に合意しました。
2020 TOPIC)タイ国におけるSpiber社向けオンサイト・ユーティリティ供給事業の
開始について
日鉄エンジニアリング(株)(以下「NSE」)とタイ現地法人 NS-OG Energy Solutions (Thailand) Ltd.(以下「NSET」)※1は、Spiber(株)(以下「Spiber」)※2がタイ国東部ラヨーン県に建設した「構造タンパク質の量産プラント」向けにユーティリティ供給事業を開始し、本施設の商業生産開始に合わせて、Spiberと共同でに開所式を開催しました。
本事業は、NSETが、Spiberが工場構内に建設したユーティリティ供給設備の操業・保守を請け負い、工場の操業に必要な電力・蒸気・冷水を含むユーティリティ一式を、Spiberに対して供給する事業です。NSETは、高効率で安定的なユーティリティ供給を通じて、Spiberによる本施設の安定的な操業の一翼を担います。また、将来的な工場拡張に合わせコージェネ設備導入を含むエネルギー供給システムの最適化を実施することにより、Spiberが掲げる持続可能な社会の実現に向けた取り組みにも貢献していきます。
- ※1 2014年7月、大阪ガスおよび日鉄エンジニアリング(株)(当時の社名:新日鉄住金エンジニアリング(株))と大阪ガスが、タイ現地法人 NS-OG Energy Solutions(Thailand)Ltd.を設立。当社は100%子会社の「Osaka Gas Singapore Pte. Ltd.」を通して出資
- ※2 Spiber(株)は、構造タンパク質素材「Brewed Protein™(ブリュード・プロテイン™)」を開発する、山形県鶴岡市に拠点を置くバイオベンチャー。Brewed Proteinは、植物由来の糖類を主原料に使用し、微生物による発酵(ブリューイング)プロセスにより製造され、用途に応じて多様な特長を付与することが可能です。そのため、アパレル分野や輸送機器分野など、様々な産業における脱石油・脱アニマルのニーズに対し大きな役割を果たせる可能性を秘めており、持続可能な社会の発展に資する次世代の基幹素材として注目されています。2018年にタイ国での量産(発酵・精製プロセス)プラント建設、稼働準備、および稼働後の運営を担う現地法人 Spiber(Thailand)Ltd. を設立

Spiberが設立した構造タンパク質の量産プラント
インドネシア・フィリピンにおける取り組み
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OGIDNのメンバー
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Osaka Gas Singapore Pte. Ltd.は、2016年10月にインドネシアのジャカルタ、2017年3月にフィリピンのマニラに駐在員事務所を開設しました。
インドネシアは近年の経済規模の拡大に伴いエネルギー需要の増加が見込まれています。これまでお客さまの省エネニーズに合わせた当社のノウハウの活用可能性やエネルギーソリューションを検討してきました。2018年8月にはPT OSAKA GAS INDONESIA(大阪ガスインドネシア)を設立し、インドネシア石油・ガス公社PT Pertaminaグループ(プルタミナG)のガス販売会社であるPT. Pertagas Niaga(プルタガスニアガ)と共同マーケティング契約を締結しました。2018年10月に事業ライセンスを取得し、大阪ガスインドネシアは同契約に基づき、プルタガスニアガとの天然ガス共同マーケティング事業を開始しました。本件は、シンガポール、タイにおけるエネルギー関連事業に引き続いて、3カ国目の東南アジアでの事業展開となります。
本事業を通じて、クリーンな天然ガスの効率的な利用や重油などからの燃料転換を促進し、同国における省エネルギーの推進や環境負荷軽減に貢献します。
また、大阪ガスインドネシアはファイナンススキーム等を活用して、設備導入をサポートするエネルギーサービス事業等も展開し、将来的にインドネシア全土での事業展開を目指します。現在、大阪ガスインドネシアは大阪ガス出向者4人と現地スタッフ13人の計17人が在籍しています(2021年4月現在)。
一方、継続してジャカルタ駐在員事務所では、現在大阪ガス出向者2人と現地スタッフ4人の計6人が在籍しており(2021年4月現在)、インドネシアは人口2.5億人を超え、経済規模拡大とともに今後のエネルギー需要の増加が見込まれることから、エネルギーインフラ開発の本格調査を行っています。
マニラ駐在員事務所では、現在大阪ガス出向者2人と現地スタッフ1人の計3人が在籍しています(2021年4月現在)。フィリピンでは、エネルギー需要の増加が見込まれることに加え、国産天然ガス枯渇に備えたLNG導入計画があることから、LNG関連事業を中心に、当社の経験と知識を生かせるエネルギーインフラ開発案件への参画を目指しています。
ベトナムにおける取り組み
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フーミ―3特別工業団地内の
ガス供給施設の外観 -
大阪ガスの100%子会社であるOsaka Gas Singapore Pte. Ltd.、双日(株)、双日ベトナムの3社は、ベトナムにおいて天然ガス供給事業等を目的とした合弁会社「Sojitz Osaka Gas Energy Company Ltd.」(以下「SOGEC」)を2019年10月に設立しました。
SOGECは、ベトナム南部バリア・ブンタウ省のフーミー3特別工業団地における天然ガス供給事業および同国における産業用顧客への圧縮天然ガスのローリー供給事業に取り組んでいます。
なお、当社が東南アジアで事業を展開するのは、シンガポール、タイ、インドネシアに続いて本件が4カ国目です。また、海外での天然ガス供給事業への参画は、シンガポール、タイに続いて3カ国目となります。
ベトナムは経済発展に伴いエネルギー需要の拡大が続いています。今回事業を開始する同国南部も複数の工業団地が集積する重化学工業地帯で、今後も製造業各社の新規進出が期待される地域です。
SOGECは本事業を通じて、クリーンな天然ガスの効率的な利用や石炭・重油・LPG等からの燃料転換を促進し、同国における省エネルギーや環境負荷軽減に貢献します。ベトナムでのIPP事業や工業団地運営事業等の豊富な実績を持つ双日グループと、天然ガス供給に関するノウハウを持つDaigasグループの両者の得意領域を生かして本事業を推進することで、2030年度には売上高150億円を目指します。また、将来的には、ファイナンススキーム等を活用して設備導入をサポートするエネルギーサービス事業の展開も検討していきます。
2020 TOPIC)ベトナム食品工場における燃料転換事業に参画
~石炭から天然ガスへの燃料転換を推進、10年間で約76,300tのCO2削減に貢献~
Sojitz Osaka Gas Energy Company Ltd.(以下「SOGEC」)※1は、エースコック(株)(以下「ACJ」)の子会社であるエースコックベトナム(株)(以下「ACV」)との間で、ACV食品工場向けの天然ガス供給契約を、2021年3月4日に締結しました。
これは石炭から天然ガスへの燃料転換事業に注力するSOGECによる個別顧客※2への初の天然ガス供給案件です。なお、本事業には、二国間クレジット制度※3の補助金※4を活用します。また、本事業はベトナム政府と日本政府の協同のもとに実施されます。
本事業は、大阪市とホーチミン市が共同で取り組み、ACVとSOGECが参画した、食品工場の省CO2化にかかる実現可能性調査※5を経て行うもので、ガス供給先であるACVの2カ所の食品工場で使用していた石炭焚蒸気ボイラを、SOGECが供給する天然ガスを燃料とする高効率なガス焚ボイラへ移行することで、労働環境の改善や、CO2排出量の削減を目的としています。
本事業の実施により、10年間で約76,300tのCO2削減を見込んでいます。二国間クレジット制度を活用することで、CO2削減量(JCMクレジット)のうち2分の1以上を日本政府に納入し、日本政府が掲げるCO2削減目標の達成に貢献します。
- ※1 双日グループが51%、大阪ガスが100%子会社の「Osaka Gas Singapore Pte.Ltd.」を通して49%出資
- ※2 2020年4月からベトナム南部バリア・ブンタウ省のフーミ―3特別工業団地向けに天然ガス供給事業を実施
- ※3 二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism、JCM)日本が持つ優れた低炭素技術や製品、システム、サービス、インフラを途上国に提供することにより、途上国の温室効果ガスの削減など持続可能な開発に貢献し、その成果を二国間で分け合う制度。同制度によって、温室効果ガスの排出削減に対する日本の貢献を定量的に評価でき、日本の排出削減目標の達成に活用できます
- ※4 「二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」優れた低・脱炭素技術等を活用し、開発途上国における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行う事業。開発途上国における温室効果ガスの削減とともに、JCMを通じて日本およびパートナー国の温室効果ガスの排出削減目標の達成に資することを目的とし、優れた低・脱炭素技術等の初期投資費用の2分の1を上限として補助を行います。環境省より委託を受けた(公財)地球環境センターが、本制度に関する本補助事業の執行団体として日本の民間企業等を対象に公募しています。ACJ、ACV、SOGECは、環境省「令和2年度 二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」の補助金交付決定を、2020年9月28日に受けています
- ※5 脱炭素・低炭素社会形成に関する経験やノウハウ等を有する日本の自治体と海外都市による、脱炭素・低炭素社会形成への取り組みを効果的・効率的に支援するための環境省委託事業「令和2年度 脱炭素社会実現のための都市間連携事業」に大阪市とホーチミン市が共同で取り組み、ACVとSOGECが参画
■ 事業実施場所および外観

再生可能エネルギー事業への取り組み
太陽光発電事業への取り組み
バイオガスの有効利用
バイオガスの主成分は天然ガスと同じメタンであり、再生可能エネルギーとして、また地球温暖化対策の一つとして、有効活用が期待されています。そこで大阪ガスは、バイオガスを当社の都市ガスとして購入する際の条件を定めた「バイオガス購入要領」を制定し、2010年9月からバイオガスの購入を開始しました。
さらに、当社は、神戸市、(株)神鋼環境ソリューションとともに、神戸市東灘処理場で製造した「こうべバイオガス」を都市ガスとしてガス導管を通じて供給する実証事業を2010年9月から開始し、年間約80万m³(約2,000戸の家庭が1年間に使う量に相当)を受け入れています。また、「神戸市玉津処理場消化ガス発電事業」および「高砂市伊保浄化センター消化ガス発電事業」の運営を2018年4月から開始しています。
一方、DaigasグループのDaigasエナジー(株)は、大阪市、月島機械(株)、月島テクノメンテサービス(株)と共同で、「大阪市下水処理場消化ガス発電事業」の運営を2017年4月から開始しています。発電能力は4処理場合計で約4,090kW、想定年間発電量は約2,580万kWh(一般家庭約7,100世帯相当)で、FIT制度(「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づく固定価格買取制度)を活用した国内最大規模の下水汚泥消化ガス発電事業となります。
さらに、当社グループでは民間工場でのバイオガス有効利用にも取り組んでおり、8件で約6,000kWの発電および1件で工場への蒸気供給を行っています。
■ バイオガス都市ガス導管注入実証事業

エナジーバンクジャパン(株)
独自のファイナンス技術を使った
再生可能エネルギー発電事業を実施
Daigasグループのエナジーバンクジャパン(株)は、大阪ガスの省エネ設備普及促進策として実績のある「ECOWAVE」を活用し、太陽光発電設備をはじめとする再生可能エネルギー設備を全国に普及する事業を推進しています。
「ECOWAVE」は、お客さまが初期投資を行わなくても、再生可能エネルギーを利用した発電設備を設置できる独自のファイナンス技術を使ったスキームです。再生可能エネルギー開発に特化した資金調達スキームと専門技術サービスを地域に提供し、地産地消型再生可能エネルギー電源開発を支援しています。
2021年3月末現在で、46件、54,645kW(未着工・工事中含む)の実績があります。
- Daigasグループの
サステナビリティ -
トップコミットメント
サステナビリティへの取り組み
活動トピックスと指標に
対する実績- Daigasグループの価値観と
サステナビリティ推進体制 -
Daigasグループの理念体系
Daigasグループ企業行動憲章と
マネジメント方針 Daigasグループ企業行動基準 サステナビリティ推進体制と
マネジメント ステークホルダー
エンゲージメント 参加イニシアチブ 外部からの評価・表彰
- サステナビリティ経営と
価値創造プロセス -
Daigasグループの
価値創造プロセス 長期経営ビジョン2030 中期経営計画2023 Daigasグループ カーボン
ニュートラルビジョン
- 優先的な取り組み
(マテリアリティ) -
Daigasグループのマテリアリティ
マテリアリティの見直しサイクル
顧客の安全衛生(2020年度報告)
大気への排出/エネルギー
(2020年度報告) 地域コミュニティ
(2020年度報告) 顧客プライバシー
(2020年度報告) サプライヤーの評価
(2020年度報告) 研修と教育(2020年度報告) ダイバーシティと機会均等
(2020年度報告) 経済パフォーマンス
(2020年度報告) お客さま価値の創造(憲章Ⅰ) 環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) 社会とのコミュニケーションと
社会貢献(憲章Ⅲ) 人権の尊重(憲章Ⅳ) コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) 人間成長を目指した企業経営
(憲章Ⅵ)
- コーポレート・ガバナンス
- コーポレート・ガバナンス リスクマネジメント コンプライアンス 社外取締役メッセージ
- バリューチェーンと
サステナビリティ -
バリューチェーンと
ステークホルダーへの配慮 主なエネルギーバリュー
チェーンが社会に与える影響と
サステナビリティの取り組み
- Daigasグループの価値観と
- 2020年度
サステナビリティ活動報告 -
- お客さま価値の創造(憲章Ⅰ)
-
憲章Ⅰ インデックス
お客さまの価値創造に対する
マネジメント 安心・安全1 調達段階 安心・安全2 製造段階 安心・安全3 供給段階 安心・安全4 消費段階 お客さまの声を生かす取り組み 新たな価値提案
- 環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) -
憲章Ⅱ インデックス
環境との調和と持続可能な
社会への貢献に対する
マネジメント 環境経営 ‐環境マネジメント‐ 環境経営 -指標・目標と実績- 気候変動への取り組み
‐リスクと機会の認識と対応‐ 気候変動への取り組み
‐CO2排出量削減効果の評価‐ 気候変動への取り組み
‐事業活動でのCO2削減貢献‐ 気候変動への取り組み
‐お客さま先のCO2削減貢献‐ 資源循環に向けた取り組み 生物多様性への取り組み 環境技術への取り組み 環境リスク低減への取り組み グリーン購買の促進 環境コミュニケーション
- 社会とのコミュニケーション
と社会貢献(憲章Ⅲ) -
憲章Ⅲ インデックス
社会とのコミュニケーションと
社会貢献に対するマネジメント 社会貢献活動 企業ボランティア活動
「“小さな灯”運動」 社会とのコミュニケーション活動 財団活動
- 人権の尊重(憲章Ⅳ)
- 憲章Ⅳ インデックス 人権の尊重に対するマネジメント 人権デュー・ディリジェンス 人権啓発への取り組み
- コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) -
憲章Ⅴ インデックス
コンプライアンスの推進に
対するマネジメント コンプライアンスの推進 個人情報保護の取り組み 情報セキュリティ お取引先の方などからの
相談・報告
- 人間成長を目指した
企業経営(憲章Ⅵ) -
憲章Ⅵ インデックス
人間成長を目指した企業経営に
対するマネジメント 雇用 多様性の受容 ワーク・ライフ・バランス 人材育成と処遇 従業員と会社の
コミュニケーション 安全衛生
- ガイダンス・ガイドライン
対照表とESGデータ -
ガイドライン対照表
- ESGデータ集
- 環境パフォーマンスデータ 社会データ ガバナンスデータ