安心・安全4 消費段階
- 特定したマテリアリティ
-
-
顧客の安全衛生
416-1
-
取り組みの背景・考え方
お客さまの安心・安全を守ることは、都市ガス事業者としての使命です。大阪ガスでは、お客さま設備の定期的な調査・点検の実施はもとより、地震や災害に備えた安全対策の高度化にも取り組んでいます。また、安心してガスをご利用いただくための情報発信や、安全性の高い機器・サービスの充実と普及促進にも努めています。
安全利用のための機器・サービスの普及
ガス機器の安全利用に関する情報発信
大阪ガスは、お客さまに安全に、安心してガス機器をご利用いただくため、定期保安巡回や開栓、機器修理などの機会に、ご使用中の機器の安全装置等について説明しています。
また、当社ウェブサイトに「ガス機器に関する大切なお知らせ」コーナーを開設し、お客さまにガス機器の正しい使い方や製品の改修・不具合などの情報を迅速・正確にお伝えし、ご理解いただけるよう努めています。
安全性の高い機器・サービスの充実と普及促進
大阪ガスでは、ガスを安全にご利用いただくための機器・サービスの普及に努めています。
安全装置が装備されていないガス機器については、市場からの一掃を目指し、不完全燃焼防止装置のないガス瞬間湯沸器や金網ガスストーブをお持ちのお客さまに、安全な機器にお取り替えいただくことをお勧めしています。
安心してガスをお使いいただくために、1992年には消し忘れ防止装置、1999年以降はインターロック機能※を搭載したガス小型湯沸器を開発し普及に取り組んでいます。
さらに、ガスコンロによる火災の根絶を目指し、2008年4月以降、製造するガスコンロの全バーナーには、立消え安全装置などの安心・安全機能を搭載し、「Siセンサーコンロ」の名称で普及を促進しています。また、ガスもれや一酸化炭素の発生をお知らせする警報器や、異常を感知すれば係員がお宅まで出動するサービスなども充実させています。
大阪ガス供給エリアの、立消え安全装置付ガスコンロ普及率は、1999年の86.9%から、2021年の96.3%まで向上しており、新規販売分についてはほぼ全てに装備しています。
- ※ インターロック機能
不完全燃焼防止装置が3回作動した後、点火動作を停止する装置
■ 不完全燃焼防止装置付き小型湯沸器と
立消え安全装置付きガスコンロの普及率の推移
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|---|---|
不完全燃焼防止装置付き 小型湯沸器 |
99.9% | 99.9% | 99.9% | 99.9% | 99.9% |
立消え安全装置付き ガスコンロ |
95.9% | 96.0% | 96.1% | 96.2% | 96.3% |
ビルトインコンロ「AVANCE(アバンセ)」の
安心・安全の取り組みが評価されました
大阪ガスは、(株)パロマと共同で、調理中の着衣着火※1の不安低減を目的に、安心・安全性を向上させたガスコンロの新製品「AVANCE※2」を開発し、2019年6月から販売を開始しました。
今回のコンロには、業界初の新技術「エリアセンサー※3」が搭載されており、物や袖口などが炎に近づくとセンサーが検知して火力が自動で弱火になるよう制御され、センサーが感知した場合は音声でもお知らせします。
「AVANCE」は、安心・安全の取り組みが評価され、第13回キッズデザイン賞で優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞しました。キッズデザイン賞は、子どもや子どもの生み育てに配慮した製品・空間・サービス・研究を対象とした顕彰制度です。また、(一財)日本消防設備安全センターから、消防防災の分野において有効に活用できる消防防災製品として、調理機器としては初めて推奨認定を取得しました。この制度は、消防防災分野において有効に活用できると認められる製品等を推奨し、消防防災活動に役立てることを目的とした制度です。
当社では、過去より、調理油過熱防止装置「あげルック」や立消え安全装置「消えルック」といったガスコンロの安心・安全性を向上させる技術開発を行い、順次搭載してきました。今回の「エリアセンサー」が加わることで、お客さまにさらなる安心・安全な機器を提供していきます。
「業界初の新技術『エリアセンサー』搭載のビルトインコンロ『AVANCE(アバンセ)』の発売」について詳しくはプレスリリースをご覧ください
「Siセンサーコンロ『AVANCE(アバンセ)』が第13回キッズデザイン賞で優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞しました」については詳しくはこちらをご覧ください
「Siセンサーコンロ『AVANCE(アバンセ)』が調理機器としては初めてとなる、消防防災製品に推奨されました」については詳しくはこちらをご覧ください
- ※1 着衣着火
袖などに火が着く事例 - ※2 AVANCE
「AVANCE」は(株)パロマの登録商標です - ※3 エリアセンサー
当社の登録商標です
安全装置が装備されていない
ガス機器の取り替え促進
大阪ガスは、一酸化炭素中毒事故の防止を目的に、お客さまがお使いの「不完全燃焼防止装置が装備されていないガス機器」の取り替えを2007年度から開始しました。個別巡回活動や業務機会など、お客さまを訪問する機会に取り替えをお勧めするとともに、ダイレクトメールや新聞広告、検針時の配布チラシ等でも安全性の高い機器や一酸化炭素中毒の危険性の周知に努めてきました。また、機器の取り替えにあたっては当社が費用の一部を負担することで、取り替えを促進しています。
残存する「不完全燃焼防止装置が装備されていないガス機器」については、業務機会での取り替えのお勧めとダイレクトメールなどによる周知を継続していきます。
■ ガス機器を安全にお使いいただく方法や
安全な機器への取り替えをご案内する周知資料

住宅用の各種警報装置、サービスを提供
大阪ガスは、様々なサービスを通じて、万一のときの皆さまの安心・安全な暮らしのお手伝いをしてきました。
ガスもれを検知し警報する家庭用ガス警報器「ぴこぴこ」は1980年の発売開始以来、不完全燃焼警報機能や熱感知機能、煙感知機能を追加した台所用商品を開発。2015年5月には電池式警報機器を発売するなど、警報器の普及促進に努めています。
また、消防法改正によって住宅での火災警報器設置義務化が進んでいることを受け、寝室や階段などに設置する火災警報器「けむぴこ」や、ホームセキュリティの「大阪ガスSP『タイプAアイルス』『タイプB』」等も展開しています。 2017年10月からは、通信を利用した安心・安全サービスとしてご提供してきた「るるるコールM」と「くるぴこ」の2つを統合した新たなサービスとして「みるぴこ」を発売しました。今後は住まい全般の設備に関するお困りごとにワンストップで対応する「住ミカタ・サービス」の一つとして、お客さまの安心・安全をサポートしていきます。
さらに、よりお客さまの安心・安全な暮らしに貢献するため、2016年5月から家庭用消火器の取り扱いを開始しました。消火薬剤は粉ではなく、液状のため、身体や環境にも安全で噴射後の掃除が簡単です。また、コンパクトなデザインのため、設置しやすく、カラーバリエーションも豊富に取り揃えています。
各市・消防局と
「火災予防啓発の連携に関する協定」を締結
大阪ガスは大阪市消防局と「火災予防啓発の連携に関する協定」を2019年2月に締結しました。本協定に基づき、両者は連携して、住宅用火災警報器の普及促進や、設置から10年を過ぎた住宅用火災警報器の取り替え促進などに取り組みます。
住宅火災による死者数は日本全国で年間800人を超えており、このうち約5割が逃げ遅れによるものです※1。
住宅用火災警報器は、煙や熱を感知して警報音などで知らせてくれるため、早期の消火や逃げ遅れの防止に役立つことから、消防法により全ての住宅に設置が義務付けられています※2。また、電池切れや機器の寿命などで正常に作動しなくなることがあるため、設置から10年での取り替えが推奨されており、住宅用火災警報器の普及拡大とともに、交換期限を過ぎた機器の確実な取り替えが課題となっています。
当社では2006年から住宅用火災警報器「けむぴこ」を販売しており、「けむぴこ」を設置されたお客さまについては、当社で交換期限を管理し、期限満了前にお知らせしています。
2019年度は、京都市、神戸市、堺市消防局とも同様の協定を締結しました。各市・消防局との連携により、当社製以外の住宅用火災警報器を設置されているお客さまへも、万一の時に適切に作動するよう、維持管理や取り替えの必要性について広く呼びかける活動を展開していきます。当社は今後も、住宅用火災警報器の普及促進や期限満了時の取り替え促進に取り組むことで、住宅火災による逃げ遅れや死者の低減、安心・安全なまちづくりに貢献していきます。
<「火災予防啓発の連携に関する協定」の概要>
- (1)住宅用火災警報器等の普及促進及び維持管理を啓発するための広報資料の制作
- (2)前号の広報資料の掲示、配付等による火災予防広報並びに住宅用火災警報器の設置維持管理状況確認及び普及促進
- (3)その他、双方の協議により実施する火災予防広報
- ※1 総務省消防庁 平成30年度版「消防白書」より
- ※2 2006年6月より新築住宅での設置が義務化された。既存住宅においても、各市町村条例により2011年5月末までに設置が義務付けられている
「大阪市消防局との『火災予防啓発の連携に関する協定』の締結」について詳しくはプレスリリースをご覧ください
IoT対応ツナガルde警報器
「スマぴこ」の発売と災害・防犯情報提供に
関する大阪市、大阪府警察との連携について
-
「スマぴこ」
-
大阪ガスと100%子会社の大阪ガスマーケティング(株)は、家庭用ガス警報器「ぴこぴこ」にインターネット接続機能を搭載したツナガルde警報器「スマぴこ」を開発し、2020年8月から販売を開始しました。インターネット接続機能を搭載した都市ガス用の家庭用ガス警報器としては日本初になります。
「スマぴこ」は従来のガスもれ・CO検知機能に加え、日々の暮らしに役立つ気象情報や防犯情報、見守り通知等を行う機能があります。
また大阪市と「災害情報等の提供に係る協定書」、大阪府警察と「防犯情報等の提供に係る協定書」を締結しました。協定書に基づき、災害や防犯の情報を「スマぴこ」からの発話で、大阪市にお住まいのお客さまには、大阪市が発信する災害情報をお届けします※。大阪府警察からは、防犯情報「安まちメール」を受信し、「スマぴこ」からその内容を発話いたします。
当社は大阪市、大阪府警察と災害や防犯の情報発信について連携し、お客さま宅の安心・安全の向上に取り組んでいきます。
- ※ 大阪市以外にお住まいのお客さまへは、民間の情報提供会社から取得した災害情報を配信します
業務用ガス厨房機器向け換気警報器の
無償貸し出し
-
業務用換気警報器
-
飲食店等では、給排気設備の不使用や不備による一酸化炭素中毒事故が、全国で毎年発生しています。
飲食店等においては、複数の方が業務に従事し、場合によっては給排気設備の作動状況について十分な確認がないまま厨房機器を操作されることなどもあり、給排気設備の不使用や不備が事故につながっていると考えられます。
そこで、大阪ガスは、2009年1月から業務用ガス厨房機器をお使いの約10万件のお客さま先(飲食旅館などの業務用厨房、パン菓子製造・給食設備など)を対象とし、当社が必要と判断した場合「業務用換気警報器(COセンサ)」の無償貸し出しを行ってきました。
今後も、「業務用換気警報器(COセンサ)」の一酸化炭素中毒事故防止の有効性を鑑み、主に、定期保安巡回の業務機会に、設置されている「業務用換気警報器(COセンサ)」の取り替えや、新規設置を計画的に実施し、無償貸し出し※を継続していきます。
- ※ 無償貸し出し
貸与期間は、設置日から6年間です
適正な広告表現
行動基準に基づいて適正な表現・表示を徹底
広告宣伝活動や商品表示は、大阪ガスの製品・サービスを多くのお客さまに正確にご理解いただくための重要な手段であり、お客さまが製品・サービスを選択される際の重要な判断材料にもなります。そのため、当社では「Daigasグループ企業行動基準『9.商品・サービスの安全性の確保』」に基づいた製品・サービスの適切な情報提供と表示に努めています。
昨今、製品の省エネルギー性能に対するお客さまの関心が高まっているなか、省エネルギー効果などをカタログなどに表記する場合は、機器メーカーと数値確認を行ったうえで、情報の正確性を確保するようにしています。
また、当社グループが提供している製品・サービスの安全確保については、「ガス事業法」や「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」等で定められた技術基準、ならびにJIS(日本工業規格)やJIA((一財)日本ガス機器検査協会)等のガイドライン、社内方針等に基づき、全製品について、開発・品質管理を実施するとともに、適切な情報提供と表示を実施しています。
不具合発生時の対応
迅速な情報公開と点検・修理等の実施
大阪ガスは、自社が販売・設置施工・修理したガス機器に起因する製品事故や不具合・トラブルが発生した場合、プレス発表・社告・ウェブサイト等を通じて迅速に情報を公表するとともに、当該製品の点検・修理・部品交換等を実施しています。
2021年度の不具合・トラブル対策への対応
2021年度は、「パーパス製『ガスふろがま・給湯暖房機』の自主的な部品交換作業」(2019年度のお知らせからの変更・追記)について公表し、対応を実施しています。
ガス設備調査
ガス設備調査の業務内容を拡充
ガスを安全に安心してお使いいただくために、お客さまにはガス設備調査へのご協力をお願いしています。法令に基づくガス設備調査としての定期保安巡回※では、ガス設備の状況やガスもれの有無を検査します。そのほか、一部のガス機器の点火確認や排気中の一酸化炭素濃度測定等を実施するなど、順次業務を拡充させています。また、ガスを安全にご利用いただくための注意喚起にも努めています。
- ※ 定期保安巡回の頻度
一般建物については4年に一度以上、特定地下街・特定地下室等については1年に一度以上の頻度で巡回しています
「全員保安活動」でお客さま安全確保の
ための活動を推進
全従業員が保安に関する知識を持ち、
お客さまの安全を確保
Daigasグループは、ガス事業の基盤は従業員一丸となっての保安の確保にあると考え、グループ全従業員を対象とした「全員保安活動」に取り組んでいます。この活動では、全従業員が「お客さまからの疑問に正確に回答すること」「ガスもれや非安全型機器等を見逃さないこと」を目指しています。
イントラネットに、安全確保への取り組みや、ガス・ガス機器の安全性に関する基本知識を掲載する等、全従業員への周知・教育を図っています。そのうえで、不完全燃焼防止装置が装備されていない非安全型機器等を発見して、取り替えのお勧めなどができるようになるためのトレーニングも実施しています。
- Daigasグループの
サステナビリティ -
トップコミットメント
サステナビリティへの取り組み
活動トピックスと指標に
対する実績 トランジション
ファイナンス- Daigasグループの価値観と
サステナビリティ推進体制 -
Daigasグループの理念体系
Daigasグループ企業行動憲章と
マネジメント方針 Daigasグループ企業行動基準 サステナビリティ推進体制と
マネジメント ステークホルダー
エンゲージメント 参加イニシアチブ 外部からの評価・表彰
- サステナビリティ経営と
価値創造プロセス -
Daigasグループの
価値創造プロセス 長期経営ビジョン2030/
中期経営計画2023 中期経営計画2023 Daigasグループ カーボン
ニュートラルビジョン
- 優先的な取り組み
(マテリアリティ) -
Daigasグループのマテリアリティ
マテリアリティの見直しサイクル
お客さま価値の創造(憲章Ⅰ)
環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) 社会とのコミュニケーションと
社会貢献(憲章Ⅲ) 人権の尊重(憲章Ⅳ) コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) 人間成長を目指した企業経営
(憲章Ⅵ)
- コーポレート・ガバナンス
- コーポレート・ガバナンス リスクマネジメント コンプライアンス 社外取締役メッセージ
- バリューチェーンと
サステナビリティ -
バリューチェーンと
ステークホルダーへの配慮 主なエネルギーバリュー
チェーンが社会に与える影響と
サステナビリティの取り組み
- DaigasグループとSDGs
-
特集:ミライ価値の共創
Daigasグループ カーボンニュート
ラル実現に向けた取り組み 特集バックナンバー
- Daigasグループの価値観と
- 2021年度
サステナビリティ活動報告 -
- お客さま価値の創造(憲章Ⅰ)
-
憲章Ⅰ インデックス
お客さまの価値創造に対する
マネジメント 安心・安全1 調達段階 安心・安全2 製造段階 安心・安全3 供給段階 安心・安全4 消費段階 お客さまの声を生かす取り組み 新たな価値提案
- 環境との調和と持続可能な
社会への貢献(憲章Ⅱ) -
憲章Ⅱ インデックス
環境との調和と持続可能な
社会への貢献に対する
マネジメント 環境経営 ‐環境マネジメント‐ 環境経営 -指標・目標と実績- 気候変動への取り組み
‐リスクと機会の認識と対応‐ 気候変動への取り組み
‐CO2排出量削減効果の評価‐ 気候変動への取り組み
‐事業活動でのCO2削減貢献‐ 気候変動への取り組み
‐お客さま先のCO2削減貢献‐ 資源循環に向けた取り組み 生物多様性への取り組み 環境技術への取り組み 環境リスク低減への取り組み グリーン購買の促進 環境コミュニケーション
- 社会とのコミュニケーション
と社会貢献(憲章Ⅲ) -
憲章Ⅲ インデックス
社会とのコミュニケーションと
社会貢献に対するマネジメント 地域コミュニティとの共生 企業ボランティア活動
「“小さな灯”運動」 社会貢献活動 財団活動
- 人権の尊重(憲章Ⅳ)
- 憲章Ⅳ インデックス 人権の尊重に対するマネジメント 人権デュー・ディリジェンス 人権啓発への取り組み
- コンプライアンスの推進
(憲章Ⅴ) -
憲章Ⅴ インデックス
コンプライアンスの推進に
対するマネジメント コンプライアンスの推進 個人情報保護の取り組み 情報セキュリティ お取引先の方などからの
相談・報告
- 人間成長を目指した
企業経営(憲章Ⅵ) -
憲章Ⅵ インデックス
人間成長を目指した企業経営に
対するマネジメント 雇用 多様性の受容 ワーク・ライフ・バランス 人材育成と処遇 従業員と会社の
コミュニケーション 安全衛生
- ガイダンス・ガイドライン
対照表とESGデータ -
ガイドライン対照表
- ESGデータ集
- 環境パフォーマンスデータ 社会データ ガバナンスデータ