――社内報は、伝えるだけのものじゃない。人と人を、つなぐ場でありたい。私たちは、そう考えています。
事業の多角化や海外展開、エネルギーの自由化、カーボンニュートラルへの挑戦…。変化の大きい時代の中で、Daigasグループで働く人の姿も、ますます多様になっています。そんな今だからこそ、私たちは「Daigasグループの想いや情報が、グループ社内に行き渡っているだろうか」と立ち止まりました。
多様な人材が集い、従業員一人ひとりが会社とのつながりを実感しながら、前向きに力を発揮できる企業であるために。その実現に向けて私たちはグループ報(以下、社内報)「がす燈」に改めて向き合うことにしたのです。
情報を一方的に届けるのではなく、想いが行き交い、会話が生まれる場へ。
がす燈をめぐる私たちの試行錯誤は、変化を積み重ねながら、2025年の経団連推薦社内報審査においてWeb社内報部門の総合賞受賞へと実を結びました。
その歩みをたどりながら、がす燈が何に向き合い、何を形にしてきたのかを、振り返っていきます。

社内報「がす燈」の運営メンバー
完成形はなく、日々議論と改善を重ねています
積み重ねてきた歩みの中で、向き合ったがす燈のあり方
今年で80年目を迎えるがす燈は1947年に大阪ガスの社内報として誕生しました。その後、グループの広がりに合わせて形を変え、2003年には個社報からグループ報へ、2017年にはWeb社内報として進化。長い歴史の中で、がす燈は常にDaigasグループの“いま”を映し出す存在であり続けてきました。
一方で、Web化から数年が経つ中で、ある違和感が芽生えます。情報量が増え、ページ構造も複雑になるにつれ、「どこから読めばいいかわからない」「文字が多くて読む気にならない」といった声が聞こえるようになったのです。閲覧率も伸び悩み、せっかく発信している情報が、十分に届いていないのではないかという課題意識が強まっていきました。
グループ会社は約160社、海外を含め従業員数はおよそ2万人。事業領域も働き方も多様化する中で、一体感や相互理解をどう育んでいくのか。私たちは、がす燈を単なる情報発信媒体ではなく、グループ内コミュニケーションの“軸”にしたいと考えました。こうした背景から、私たちは“小手先の改善”ではなく、設計そのものを見直す必要があると判断しました。がす燈を、改めて「どんな場にしたいのか」。リニューアルは、その原点に立ち返るところから始まったのです。

社内報「がす燈」創刊号(1947年)
がす燈の歩みは、ここから始まりました
「知る・感じる・つながる」を育てる仕掛け
2024年に実施したがす燈のリニューアルでは、これまで大切にしてきた「知る・感じる・つながる」という考え方を、いまの時代に合うかたちで実装し直すことを意識しました。狙いは明確です。情報を読むだけで終わらせず、従業員一人ひとりが気軽に反応し、つながりが生まれる社内報にすることでした。
まず、構成を見直し、「経営」「しごと」「なかま」「リフレッシュ」の4カテゴリーに整理。デザインも刷新し、記事にハッシュタグを付けて関連情報へたどりつきやすくしました。お気に入り登録や通知管理ができるマイページ機能を設け、読み手自身が使い方をカスタマイズできる設計に。こうした工夫は、情報量が増える中で「どこから読めばいいかわからない」という声に向き合う中で生まれました。
もう一つの大きなポイントは、双方向性の強化です。ソーシャルメディアの「いいね」のような「さすガっス!」ボタンやコメント機能に加え、リニューアルでは新たにコメントへの返信機能を導入。自分のコメントに反応が返ってくるなどやり取りが可視化されることで、自然と再訪のきっかけが生まれ、会話がさらに活性化していきます。
そうした仕組みが最も生きている企画の一つが、従業員が気になるテーマについて語り合う「がす燈ーーク!」です。お題に対し2択ボタンで気軽に意思表示でき、コメントを通じたやり取りも自然と広がる設計が、応援や共感の声を集め、従業員同士の交流を後押ししています。
リニューアルにあたっては、システムやデザイン、機能のあり方をめぐり、関係者間で何度も議論を重ねました。これまでの良さを残すのか、変えるのか。その判断を積み上げながら、検討と改善を重ねてきた結果が、がす燈を“読む社内報”から“知る・感じる・つながる社内報”へと変えていったのです。

リニューアル後のがす燈
従業員一人ひとりが必要な情報に出会い、関われる設計に
“よもやま”が生んだナナメのつながり
がす燈の取り組みを進める中で生まれたのが、「Daigasよもやま」です。グループ従業員が所属や会社の枠を越え、「ひとつのテーマ」をきっかけに普段接点のないメンバー同士が語り合う交流の場として企画し、開始からおよそ2年で約40回実施しています。
きっかけの一つは、アンケートで従業員から多く寄せられていた「他社・他部署の取り組みを知りたい」「普段接点のない人の話を聞いてみたい」という声です。がす燈を通じて“つながる”姿勢が少しずつ育まれていく中で、より直接的な対話の場にも挑戦してきました。昼休みの時間を活用し、気軽に参加できる形にしているのも、その工夫の一つです。

「Daigasよもやま」で実施してきたテーマの一例
インド事業や大阪・関西万博ガスパビリオンツアーなど
テーマは、業務やデジタル活用といった仕事に関わるものから、育児やキャリア、趣味までさまざま。チャットやコメントを通じて、参加者同士のやり取りが自然に広がり、「幅広い年代・組織の人と話せるいい経験になった」「グループの一員であることを実感できた」といった声も届いています。
私たちが大切にしているのは、「Daigasよもやまをきっかけに、誰かの何かが少しでも変わったらうれしい」という思いです。がす燈で育んできた“つながり”の文化が、人と人との対話へと広がった「Daigasよもやま」。この取り組みは、グループ内にナナメのつながりを生み出しています。

「Daigasよもやま」の一場面
歴史ある本社「ガスビル」を舞台に、オンラインで交流を実施しました
歩みを止めず、進化し続けるがす燈
リニューアル以降、がす燈には目に見える変化が表れています。従業員を対象に実施しているアンケートでも「見やすくなった」「参加しやすくなった」といった声が増えてきました。コメントやリアクションが日常的に行き交い、がす燈が“つながる場”として使われ始めている手応えを感じています。
こうした取り組みは、2025年の経団連推薦社内報審査でも評価されました。がす燈はWeb社内報部門(応募数55作品)の中で総合賞を受賞。双方向のコミュニケーションを生み出している点や、「Daigasよもやま」をはじめとする独自の試みが高く評価され、大規模なグループ企業における社内コミュニケーションのあり方として評価を得ました。
一方で、この評価をゴールとは考えていません。より多くの従業員にとって身近で、何度も訪れたくなる存在であるために、改善の余地はまだあると感じています。2026年2月にはがす燈の公式キャラクター「Daiわん」が誕生し、DaiわんクイズやAI要約の機能も追加しました。現在は、スマートフォンアプリでがす燈を閲覧できる環境の整備も進めており、より日常に近い場所で情報に触れられる工夫を重ねています。
がす燈は完成形を持たず、従業員とともに育っていくメディアでありたい。これからも私たちは、「知る・感じる・つながる」を生み出す場として、がす燈を磨き続けていきます。