Ship to Ship方式による船舶向けLNG燃料供給(LNGバンカリング)を開始 船舶向けLNG燃料の安定供給体制を確立、海運業界の低・脱炭素化に貢献

26.05.14

Ship to Ship方式による船舶向けLNG燃料供給(LNGバンカリング)を開始 船舶向けLNG燃料の安定供給体制を確立、海運業界の低・脱炭素化に貢献

 大阪ガス株式会社(以下、大阪ガス)は、4月21日(火)より、JFEスチール株式会社 西日本製鉄所(広島県福山市)において、当社として初めて「Ship to Ship方式」による船舶向けLNG燃料供給(LNGバンカリング)を開始しました。
 本取り組みは、貨物の積み降ろし作業を行っているLNG燃料船に対し、LNGバンカリング船「SETO AZURE(読み:セト アズール)」からLNG燃料を海上で供給するものです。すでに実施している「Truck to Ship方式」、「Shore to Ship方式」とあわせ、主要3方式すべてによる船舶向けLNG燃料供給が可能となりました。
 この度、本事業の概要をメディアに初公開しましたので、お知らせします。

LNGバンカリング船「SETO AZURE」によるShip to Ship方式でのLNG燃料供給の様子

LNGバンカリング船「SETO AZURE」によるShip to Ship方式でのLNG燃料供給の様子

なぜ今、船舶向けLNG燃料供給が求められているのか

 世界的に脱炭素社会の実現に向けた動きが進む中、船舶が行き交う海運業界でも、温室効果ガスの排出削減が重要な課題となっています。国際的な環境規制の動きなどを背景に、従来主流だった重油燃料に代わる選択肢として、LNG(液化天然ガス)を燃料とする船舶への関心が高まっています。
LNG燃料は、重油と比べてCO₂排出量を約30%削減できることから、環境負荷を抑えた船舶燃料として注目されており、LNG燃料船の隻数は世界的に増加傾向にあります(※)。一方で、日本国内に目を向けると、LNG燃料を船舶へ安定的に供給するための設備や体制は、まだ十分に整っているとは言えない状況でした。
 LNG燃料船の普及を支えるためには、船の大きさや運航ルート、寄港地の状況などに応じて、柔軟に燃料供給が行える体制が不可欠です。こうした背景のもと、大阪ガスは、陸上からの供給だけでなく、海上から直接燃料を届ける方法を含めた複数の供給方式を整えることで、LNG燃料供給の選択肢を広げ、安定供給の実現を目指してきました。

※LNG燃料船の隻数は、2015年に62隻であったのに対し、2025年には869隻、2030年には1,271隻まで増加すると予測されています(出典:DNV(ノルウェー海事協会)「Rising LNG demand: Overcoming bunkering challenges」)。

船舶の状況に合わせて選択できる、3つのLNG燃料供給方式

 今回新たに開始したShip to Ship方式は、LNGバンカリング船が燃料を必要とする船舶に近づき、海上で直接LNG燃料を供給する方法です。岸壁に着いていない場合や、錨を下ろして停泊している場所でも対応できるため、供給できる場所やタイミングの自由度が大きく広がります。また、貨物の積み降ろし作業と並行して燃料を補給できることから、LNG燃料船の運航に影響を与えない点も特長です。

Ship to Ship方式によるバンカリング事業イメージ

Ship to Ship方式によるバンカリング事業イメージ


 このShip to Ship方式の開始により、大阪ガスはTruck to Ship方式、Shore to Ship方式とあわせ、主要3方式すべてによる船舶向けLNG燃料供給が可能となりました。積み降ろし作業の状況や寄港地の設備、港の条件などに応じて最適な方式を選べる体制が整ったことで、より柔軟で安定したLNG燃料供給を実現しています。フルラインアップの体制が整ったことで、LNG燃料船の利用拡大を支えていきます。


<LNGバンカリング3方式の概要>

LNGバンカリング3方式の概要

供給方式

概要

Truck to Ship方式

岸壁に停泊中のLNG燃料船に対し、岸壁に駐車したLNGタンクローリーからLNG燃料を供給する方法。設備の整っていない港でも対応しやすい。

Shore to Ship方式

岸壁や桟橋に停泊中のLNG燃料船に対し、陸上のLNGターミナルなどから直接燃料を供給する方法。大量供給に適している。

Ship to Ship方式

LNGバンカリング船がLNG燃料船に横付けし、海上で直接燃料を供給する方法。岸壁だけでなく、海上で停泊している船舶にも対応でき、作業と並行した供給が可能。


岸壁・陸上設備・海上からの供給に対応する、LNGバンカリング3方式のイメージ図

岸壁・陸上設備・海上からの供給に対応する、LNGバンカリング3方式のイメージ図

コメント

―大阪ガス 資源・海外事業部 マネジャー 山田 裕久

 当初の計画通り、LNGバンカリング船「SETO AZURE」が就航し、Ship to Ship方式によるLNGバンカリング事業を開始できたことを嬉しく思っています。低・脱炭素化の流れの中で、LNGを燃料とする船舶は世界的に増加しており、当社としても、LNGの安定供給を通じて船舶燃料の低・脱炭素化に貢献していきたいと考えています。

大阪ガス 資源・海外事業部 山田 裕久マネジャー


事業概要 LNGバンカリング船「SETO AZURE」

 LNGバンカリング船「SETO AZURE」は、大阪ガスの関係会社である大阪湾LNGシッピング株式会社が保有する、Ship to Ship方式による燃料供給に対応したLNG燃料供給専用船です。今後は大阪湾・瀬戸内エリアを中心に運航し、柔軟で安定した船舶向けLNG燃料供給を支えていきます。


<LNGバンカリング船「SETO AZURE」概要>

船名

SETO AZURE(セト アズール)

瀬戸内海を意味する「SETO」と、青い海を意味する「AZURE」を組み合わせ、美しい瀬戸内海のイメージを表現。

全長

86.29m

全幅

17.60m

総トン数

約 4,350トン

LNGタンク方式

IMO 独立タンク TYPE C方式

LNGタンク容量

約 3,610m3

推進方式

電気推進(LNG/重油デュアルフューエルエンジン)

船主

大阪湾LNGシッピング株式会社

造船所

下ノ江造船株式会社


LNGバンカリング船「SETO AZURE」

LNGバンカリング船「SETO AZURE」


当社初となるLNGバンカリング船の命名式を実施:
https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2026/1798529_60967.html


海運業界の低・脱炭素化に向けて

 Daigasグループは、今後も船舶向けLNG燃料供給の高度化を進めるとともに、2025年2月に発表した「Daigasグループ エネルギートランジション2050」に基づき、e-メタンの社会実装を見据えた取り組みを進めていきます。船舶燃料向けへの供給を通じて、海運業界における低・脱炭素化の実現に引き続き貢献していきます。


Daigasグループ エネルギートランジション2050:
https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2025/1786064_58387.html

Daigasグループの「2050年脱炭素社会実現」に向けた挑戦
Daigasグループカーボンニュートラル 特設サイトはこちら

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