Daigasグループの
取り組み- 海外エネルギー事業 -

Our
Businesses

豪州におけるグリーン水素製造プロジェクト

2022年4月、大阪ガスは、オーストラリアの水素関連企業であるAQUA AEREM Pty Ltd(以下、アクアエアレム社)とオーストラリア北部準州における「デザートブルームハイドロジェンプロジェクト」に関する共同開発契約を締結しました。本プロジェクトは、大気中から回収した水と、送電網と接続されていない太陽光由来の電気を原料として、グリーン水素※1を製造し、オーストラリア国内の発電所への供給や国外への輸出を目指しているプロジェクトです。送電網と接続されていない電気を用いて水素を製造する取り組みは非常に先進的であり、本プロジェクトはオーストラリアで最も期待されている水素開発プロジェクトの一つ※2です。長期的には、複数の水素製造プラントを建設し、合計で年間約40万トンの水素を製造することを目指しています。

※1
再生可能エネルギーなどを使って、製造工程においてもCO2を排出せずに作られた水素
※2
デザートブルームハイドロジェンプロジェクトは北部準州のメジャープロジェクトステータスに選ばれており、北部準州の水素戦略にも合致したプロジェクトです

水素製造ユニットのイメージ(アクアエアレム社提供)

豪州におけるメタネーション事業に関する共同スタディ

大阪ガスの子会社であるOsaka Gas Australia Pty Ltd.は、2021年12月、100カ国以上でエネルギーインフラ事業を展開するATCO Ltd.の子会社であるATCO Australia Pty Ltd.と、豪州でのメタネーション事業の実現可能性調査に関する基本覚書を締結し、共同スタディを開始しました。本事業イメージは、豪州国内の発電所などの施設や大気中から回収した二酸化炭素と、再エネ由来の水素から、メタネーション設備でメタンを合成し、既存の配管を活用して豪州のガス需要に供給するとともに、日本などへの輸出も視野に入れています。

事業イメージ

シンガポールにおけるメタネーション事業の実現可能性調査

2022年3月、大阪ガスの子会社であるOsaka Gas Singapore Pte. Ltd.は、City Energy Pte. Ltd.、City-OG Gas Energy Services Pte. Ltd.、シンガポール地元企業と、シンガポールにおけるメタネーション事業の実現可能性調査を共同で開始することに合意しました。本調査では、シンガポール国内外から調達した水素と、シンガポール国内で回収したCO2から合成メタンを生成し、既存の配管を活用してシンガポールのガス需要に供給するため、ビジネスモデルの検討や経済性評価などを約半年間で実施する予定です。

事業イメージ

海外における再生可能エネルギー事業への参画

海外IPP事業では、北米やオーストラリア等の天然ガス発電所や風力・太陽光発電所へ出資しています。2020年度は天然ガス火力発電所では米国イリノイ州のスリーリバーズ発電所(建設中)、再エネ発電所では米国の分散型太陽光発電開発事業者であるSolAmerica Energy, LLCに出資しました。2021年度にはSummit Ridge Energy,LLC社とメーン州における分散型太陽光発電事業の共同実施に関する契約を締結、米国の電源開発事業者であるNOVI Energy, LLC社と大規模集中型太陽光発電所の共同開発をすることに合意し、加えて2022年1月には、2021年に出資参画した米国ノースカロライナ州のブライターフューチャー太陽光発電所が商業運転を開始しました。今後も拡大が見込まれる再生可能エネルギー事業への参画機会の検討を進めていきます。

欧州でEVを活用した需給調整事業を行うスタートアップJEDLIX社への出資

大阪ガスは100%子会社であるOsaka Gas UK, Ltd.を通じ、欧州で需給調整※1事業を行うJEDLIX B.V.(以下、JEDLIX社)と資本提携契約を2021年11月に締結し、当社は、世界で最も制度設計が進んでいる欧州の需給調整市場※2に参画しました。近年、世界的に再生可能エネルギーの導入が進んだことで、天候に左右される再エネの出力変動に対応する需給調整機能の重要性は増しています。また、欧州では早くから再エネの導入が進み、需給調整市場の制度設計は世界で最も進んでいます。JEDLIX社は欧州で事業を行うアグリゲーター※3であり、自社開発システムにより電気自動車(以下、EV)のバッテリーを遠隔制御することで需給調整を行います。同社は2016年に設立されたスタートアップで、オランダやフランスなど7カ国を事業エリアとし、順調に事業を拡大しています。また同社は、EVメーカー、EVの充電スポット事業者やエネルギー小売事業者との提携をさらに促進することで、事業の拡大を目指しています。

※1
停電や設備機器への支障を発生させないように、電気は常に需給を一致させる必要があり、需要と供給のバランス調整行うために電気を充放電することを「需給調整」という
※2
需要と供給のバランス調整、電力系統の周波数を一定に保つよう制御する目的で、電力系統運用者が必要な需給調整力を調達する市場。発電事業者やアグリゲーターは電力系統運用者の指令に従って需給調整を行い、それに対する対価を受けとる
※3
複数の需要家の電力設備を遠隔制御して電力系統運用者の指令に基づき、調整力を提供する事業者

ベトナムにおける屋根置き太陽光発電事業への参画

双日(株)(以下、双日)および大阪ガスの共同出資会社※であるSojitz Osaka Gas Energy Company Ltd.と、(株)Looopは、2021年10月に合弁会社SOL Energy Company Limited(以下、SOL Energy)を設立しました。SOL Energyは、双日が運営するベトナム南部ドンナイ省のロンドウック工業団地において、お客さまの屋根に1万kWを超える太陽光発電設備を設置する予定です。導入によるCO2の年間削減量は、同工業団地全体で約5,800t-CO2を想定しています。発電した電力は長期間にわたりお客さまに供給するとともに、余剰電力は同工業団地の運営会社に供給することで、同工業団地における再エネ電力の活用および、同工業団地の脱炭素化に貢献します。また、ロンドウック工業団地外にも取り組みを拡大し、屋根置き太陽光発電事業による再エネ電力の普及を積極的に進めることで、ベトナムの持続的成長と低炭素社会の実現に貢献していきます。

双日グループが51%、大阪ガス100%子会社のOsaka Gas Singapore Pte. Ltd.が49%出資

ロンドウック工業団地の一部

日本企業として初めてのインド都市ガス事業への参画

大阪ガスは、子会社であるOsaka Gas Singapore Pte. Ltd.を通じて、(株)海外交通・都市開発事業支援機構とともにAG&P CGD HoldCo SPV3(Singapore)Pte.Ltd.に出資することで、AG&P LNG CGD HoldCo Pte. Ltd.が行うインドにおける都市ガス事業に、日本企業として初めて参画しました。本事業は、AG&Pグループが推進する都市ガス事業で、インド南部を中心に日本の面積の4分の3に相当する広大なエリアで既に独占事業権が与えられています。インドでは初めて、主なガス供給方式としてLNGローリーを活用することで、インフラ整備期間を短縮し、CNG車向けの交通用を中心に家庭用、商業用、工業用での需要拡大を進め、将来的には、当社の国内ガス販売量の半分程度に相当する都市ガス事業の実現を目指します。今後、インド都市ガス事業を当社のアジアにおける事業の柱に育成するとともに、インドのエネルギーの低炭素化と供給安定化に貢献します。

 LNGローリーを活用したガス供給方式

タイ衣料品製造工場における燃料転換

Osaka Gas(Thailand) Co., Ltd.は、(株)パルファンのグループ会社であるParfun Textile Co., Ltd.と、同社がタイ王国(以下、タイ)で操業している衣料品製造工場向けに圧縮天然ガス(CNG)を供給する契約を、2021年9月に締結しました。本事業は、タイ国内で衣料品製造を行っているParfunのNakhon Pathom(ナコンパトム)工場において、これまで使用していた石炭焚水管ボイラを、高効率なガス焚貫流ボイラに交換することで、温室効果ガス(GHG)削減を実現します。